とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第28週 FARMERS MARKET

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20171012050702j:plain         こんなににぎわっているなんて

川を挟んでCass Parkの向かい側、Stewart Parkの隣という立地で毎週土曜日と日曜日にFARMERS MARKETが開催されています。5月頃、どんなものか覗きに行きましたが、『午前9時から』となっているにもかかわらず9時にいったら、ほとんどお店は開いていない、お客さんも全くいない様子だったので、車から降りることなく立ち去ったという過去があります。まぁ、畑の横で売っている無人販売みたいなものかと、思っていたわけですが、週末のお昼ごろに13号線を走ると、FARMERS MARKETの入口が渋滞しているのを見て、もう一度、時間をずらしていってみよう、となりました。とは言え、渋滞するのは嫌なので、10:30頃に行ってみたところ、すでに駐車場が混んでいて、かなりにぎわっている様子です。車を停める場所がすぐに見つからない様子だったので、家族を先におろし、駐車場をグルっと2周してやっと止められる場所を見つけました。家族を探していると、先ほど降車した場所から数メートル、ほとんど動いていません。娘に話を聞くと、まだ最初のお店を見ている状態なのだそうです。
FARMERS MARKETと聞くと、野菜と果物を売っているだけなのかと思いましたが、多種多様なお店があり、手作り雑貨をはじめ芸術作品と呼べるレベルのものも売っているお店もあり、もちろん新鮮なお野菜も売っているお店もありますし、ファストフード的なものも売っているお店もあったり、とても小さなお店が50店舗ほどひしめき合っています。結局端から端まで全部のお店を見るのに1時間半もかかってしまいました。リピート確実ですね。午後に車で行くと大変そうです。入るのも大変だし、駐車スペースを探すのも大変だし、そして出るのも大変そう。FARMERS MARKETは午前中がお勧めです。

第27週 海外研修6か月が経過

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20171006021739j:plain       久しぶりに時計台を撮影しました

本当に早いもので1年の研修期間の折り返しを迎えました。一人で渡米するか、家族を連れていくか、非常に悩んだ挙句、家族と共にIthacaへやってきたわけですが、その選択は間違いではなかったことを確信しております。


中学3年生である長男は日本にて1学期と部活を終わらせてから夏休みに遅れてこちらへやってきました。当初の予定ではMiddle Schoolに入れるつもりが、High Schoolに通うことになってしまい、本人もかなり緊張をしておりましたが、同時期に日本からやってきた(英語に不自由しない賢い)同学年の子と同じグループに入ることができ、その子を通じて仲間が広がっているようです。先日も『オレが学校の中で一番英語ができないやつなんだから、アメリカ人の友達なんてできるわけねーよぉ』と申しておりましたが、そのスーパー同級生の子のおかげでランチを同学年の子達とグループで楽しく食べている写真を見せてくれました。今週末の夜にそのスーパー同級生の誘いでダンスパーティなるものに行くのだそうです。映画Back to the Futureにあったあんな感じのダンスパーティに行くのだそうです。受験生なのに・・・(笑)。Middle Schoolの先生がおっしゃっていたようにHigh SchoolのEnglish as New Language(ENL)の組織が非常にしっかりしていて、学期開始直後、宿題の多さに『これじゃ、受験勉強に手が回らない』と思ったわけですが、毎日の最終時間をENLに充ててくださり、その日の他の授業で出た宿題の手ほどきをその時間でしてくださるので、家に持ち帰った宿題はやることが明確になっていて、手間取ることなく終わらせているようです。かと言って受験勉強を一生懸命やっているようにも見えませんが・・・(笑)。結果としてMiddle Schoolに行くよりもHigh Schoolに通えたことは長男の人生においてもとても幸運なことになるかもしれません。
小学4年生の長女の方は仲良しの日本人の友達と同じクラスになれなかったわけですが、その分同じアパートに住む韓国籍の女の子と仲良くなり、学校ではそこそこの英語を使って過ごしているようです。もしかすると、小学校の先生方は娘の英語力を上げるために、あえて日本人の女の子と別のクラスにしたのかもしれません。長女も英語力がつき始めているようで、うれしく思います。
そして小学1年生の次男は、性格的に最も心配をしていた子でありましたが、過去のブログの記事で紹介した通り、最初の友達ができるまでは大変でしたが、その後は少しずつ友達が増え、今では毎日の学校が楽しいと申しております。
妻と末っ子も家に引きこもることなく、市内の日本人友達の輪を日々広げております。今日の午前中も、8月に旦那さんの留学とともにこちらへやって来た奥さんと子供がうちに初めて遊びに来るのだそうです。子供達のたくましさは妻譲りなのかもしれません。
子供達のおかげで、友達のご両親と知り合いになることができたことは非常に幸運なことだと思います。毎朝のSchoolバスの見送りでは朝の雑談なぞをし、たまに私がバスでコーネルへ向かう時に、同じバスに乗れば途中いろいろな雑談をしてもらえます。私の英語の方は、まだまだ、聞き取れない、私の発音では通じないことが多々ありますが、今以上に雑談ができるように日常的な英単語や言い回しをもっと身につけたいと思います。もしも妻と子供達と一緒に渡米していなければ、私のIthacaでの人間関係はほぼ研究室の中だけ、いいとこ、隣に住んでいるマイクと知り合いになり稀に話をするだけの寂しい生活だったかもしれません。もしも、仕事や留学など、家族を連れていくかどうか悩んでいる方がいらしたら『絶対家族と行ったほうが良い』と断言できます。

 

今回もついつい長文となってしまいました。ちょうど今は科研費申請書を作成する時期ですねぇ。私も科研費の申請準備を進めておりますが、共同研究者様からの指摘を受けて、全面的に書き直しをせねば・・・学内提出締め切りに間に合わせねば。

 

第26週 Corning Museum of Glass

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170928035503j:plain       

  焼成温度によるガラス(陶磁器)の変化の解説

 

先週末、とても天気が良かったので、子供たちに『どこかへ出かけよう、どこの滝がいい?』と聞いたら、『もう滝は十分』との返答。ってIthacaから滝取ったら、どこ行くのよと、すると妻も『もうちょっと紅葉が進んでからのほうがいいんじゃない』とつれない返事。ということで滝以外の観光スポットとしてIthacaの隣(といっても80kmもありますが)のCorningにあるガラス博物館に家族6人で行って参りました。Cornellを紹介してくださった先生から、『是非行った方が良い』とお伺いしておりましたが、想像以上に素晴らしい博物館(美術館)でした。何が素晴らしいかというと、
1.ガラスの科学の展示、実験デモがとても充実している
2.ガラス細工体験が子供の年齢に合わせて色々とある
3.古代ガラスから近代まで歴史的に価値のあるガラスの展示が充実
4.現代ガラス芸術作品の展示もおもしろい
5.職人さんによるガラス製作デモの後は抽選で作品をプレゼント!
床面積はNYの地球史博物館に比べれば数分の1ですが、まったく無駄がなく、素晴らしい展示であると思います。また、ガラス細工もガラスのコップの表面の絵付けからガラス時計等のデザイン、色ガラス棒を溶かしてのアクセサリー作りなど、子供の年齢と興味に合わせていろいろなラインナップが、しかもお手頃価格(30ドル以下)です。ガラス細工は夜に焼きなまし処理があるため、翌日受取(郵送も可)なので、チケットは2日有効というのも気が利いています。私達も土曜日と日曜日の二日も通ってしまいました。Ithacaの滝を十分堪能したらならば、是非お勧めの観光スポットです。
子供達4人それぞれのガラス細工の作品はとても良いアメリカの想い出となるだろうと思います。

第25週 日本とアメリカの学校の違い

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170922233842j:plain               霧のコーネル

 

先々週と先週は9月だというのにとても寒かったわけですが、今週末はなんと最高気温30℃の天気予報が出ています。その数日間が過ぎるとまた最高気温20℃、最低気温10℃と寒さが戻るわけですが、体調管理に気を付けないと風邪をひいてしまいそうです。

新学期が始まり、Cornell大学で日本語を教えている日本人の先生より、授業の一環として2週に1回、学生と話をする機会を作ってはもらえないかと依頼がありました。毎年Visitingで来る人にお願いをしているのだそうです。特に断る理由もないので、お引き受けいたしました。アジア系の4年生2人が私の担当となりました。彼らの日本語での質問に対して日本語で答えて、そのやり取りを録音し後日レポートにまとめる、ということだそうで、外国語を学ぶという意味では、かなりハードな内容だと思います。なぜハードかといえば、Cornellの学生らしく、非常に難しい内容の質問をしてくれるからです。『燃料電池の研究というと、具体的にどのようなことをしているのか、一般的な燃料電池の課題は何か、どのようなアプローチで解決できるのか?』、『日本はなぜ少子化なのか、その解決策はあるのか?』、『日本とアメリカの教育制度の違いを教えてください、どちらの方が良いと思うか』等、私が所属する日本の大学の4年生なら、そんな質問をまずしないだろうなぁと思いながら、『無責任な自分自身の考えである』、ということを前置きに好き放題答えています(笑)。

せっかくの機会だったので、あらためて『日本とアメリカの教育制度の違い』について考えてみました。とりあえず小学校を比較すると

1)クラス 日:30数名、どのクラスも見た目がほぼ同じ(机の並び方など)

      米:20名以下、クラスごとにバラバラ(教員のやりやすい形式)

2)授業  日:クラス全員、米:数学や英語などはレベル別

3)通学  日:子供のみ、米:親が見送り、お迎え(バス乗場も)

4)教員と親のコミュニケーション

      日:問題があった時のみ、米:かなり濃い(多い)

と、かなり異なり、日本は集団生活に重きを置き、アメリカは個人の成長に重きを置いている、という感じです。インタビューの時には一概にどちらが良いとは簡単には言えないと学生たちには答えました。

またアメリカのハイスクールに至っては、そもそも自分が所属するクラスはなく、すべての授業は自分でカリキュラムを組む単位制で、ほぼ大学みたいない感じです。そして宿題が山ほど出る・・小学校以上により個人にフォーカスした教育となっています。日本の中学・高校では同じ制服を着て、クラス全員で同じ授業を受けるわけで、小学校の集団化をさらに進めた感じですよね・・そうそう、アメリカではハイスクールまで義務教育だそうで、入試はありません。これも大きな違いですね。

さて、最後は大学の比較ですが、私の所属する日本の大学とCornell大学は学部生の数がだいたい一緒なので比較をするのに非常に都合が良いわけですが、最も目に付く違いは、教職員数だと思います。(いや、一番は面積差、30倍の広さか?)私の所属する大学は1教員・職員あたりの学生数が平均よりも多い(つまり教員・職員数が少ない)ということもあるかもしれませんが、Cornellの教員・職員数はおそらく数倍多く、1教員・職員あたりの学生数は数分の1だと思います。ただし雇用形態はほとんどが短期契約のようです。うちの大学では任期付きの職員は『3年』経過すると、再契約というのは稀ですが、Cornellでは1年契約で10年以上働いている事務職員さんがいらっしゃいます。というか、専任の事務職員さんに私はあったことがないかもしれません。研究サイドでもポスドク以外にResearch Associate、Research support specialist、Technicianなどの様々な肩書の方がグループ予算で雇用されており(Technicianは大学予算で雇用されているみたいです)、1年契約だけど20年以上いらっしゃる方が何人もいらっしゃるそうです。アメリカはキャリアアップが盛んなので、短期契約で仕事をしてスキルアップして他の仕事に就くというスタイルが根底にあるので、雇用形態に問題は全くないそうです。お話を聞いているとパーマネント職は教授だけなんじゃないかと思うくらいです。教職員は学生をしっかりサポートし、学生は目いっぱい成長しようと、高い意識を持っているように思います。世界ランク19位は伊達ではありません。うちは1000+位だったっけ・・・日本では少子化という問題があり、教職員数を安易に増やせない理由もわかりますが・・・(あれ、大学の話になったら学校制度の違いではなく、愚痴みたくなってしまいました)

とはいえ、日本には日本の風土に合った学校制度、アメリカにはアメリカの風土に合った学校制度なので、雇用の形態も含め一概にどちらが良いとは言えないことは事実だと思います。

第24週 秋をすっ飛ばして冬の入口に・・

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170918224835j:plain      9月中旬ですが、あちこちで紅葉が始まってます

 

何人かの先生に、Ithacaの夏は短いよ!って、お伺いしてはおりましたが、今週に入り、朝の気温が10℃を下回る日が続きました。最高気温も20℃ぐらいですので、秋というより、冬の入口みたいな気候です。学校が始まり、朝のスクールバスの見送りには薄手のコートを羽織って行かないと寒い感じです。近年の日本(関東地方)の9月中旬といえば、暑くて暑くて、こんな時に運動会の練習なんてやったら倒れちゃうよ!って気候だと思いますが、どっちがいいのやら。来週は最高気温が25℃ぐらいに戻るようなので、すごしやすい秋らしい気候になるといいんですが・・

第23週 新学期が始まりました

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170913160856j:plain           大学にも人があふれています

 

長ーい夏休みがやっと終わり、Elmentary schoolは9/5から、High schoolは9/6からそれぞれ新学期が始まりました。さらりとHigh schoolと書きましたが、長男は日本では中学3年生です。アメリカでは日本と比較して半年早く年度替わりするので、長男の年であれば本来高校2年生となります。当初長男は12月に日本へ帰るのでこちらでもMiddle schoolに入るようにお願いをしていたのですが、さすがに2gradeは落とせないと言われてしまい1grade落としてHigh schoolの1年生となりました。Ithacaには公立高校は1校しかないので、市内から高校生が集まってきます。それゆえに、『ENLのクラスが充実しているよ』とMiddle schoolの先生に教えてもらっておりました。ラッキーなことにHigh schoolにはうちの長男と同じように8月に日本からやってきた男の子がいました。Middle schoolには日本人はいないそうで、英語しかしゃべらない日本人ハーフの子がいるだけと聞いていたので、High schoolを選んでよかったかもしれません。ただし、彼の日本での所属中学は某有名私立中学校だそうで、ENLに入る必要がないレベルだそうです・・・それでも、ランチの時は一緒に食べるのだそうで、お互い学校内で唯一日本語が通じるもの同士、それなりにお付き合いをさせていただいているようです。
長女は今まで同じクラスだった日本人の女の子とクラスが変わってしまい、ちょっとご不満のようです。それでも同じクラスだった韓国の女の子と仲良く英語のフォローをしてもらいながら頑張っています。次男の方は、前のクラスで仲良しだった韓国の男の子と同じクラスになりました。また、もともとIthaca市内にすんでいた日本人の男の子が、アジア人が多い小学校といううわさを聞いて、転入してきました。春の時には『学校に行きたくない』と言っていた次男ですが、今は兄弟の中で最も『学校好き』になっているように思います。

第22週 自転車通学

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170903211305j:plain         アメリカでは自転車もバスで運べます

 

実はこの2か月、雨でない日は自転車で通学しています。コーネルIDがあれば、バスは無料で乗れるわけですが、妻の『太ったんじゃない?』の一言で、最低限の運動ということで、自転車通学が始まりました。コーネルは丘の中腹、アパートは丘の上に位置しておりますので、行はヨイヨイ、帰りはコワイ、じゃないですけど、往路は15分ほどですが、帰りは20分以上かかってしまいます。でも、緑の中を抜けてのサイクリングはとても気持ちの良いものです。

日本ではほとんど乗ることのない自転車ですが、まるで自分の体の一部のようだ!と、調子に乗っていると、先日、往路の下りの坂道の中腹で針金を踏んでしまい、後輪がパンクしてしまいました。幸い大学の近くの坂でしたので、自転車を押していき、帰りは、自転車をバスのフロントに固定して帰って参りました。家に帰り、近くに自転車屋さんがないか、検索をしましたが、当然ありません。自分でパンクを直すことを決意し、walmartで修理セットが売っていないか検索をすると、『スライム』という商品を発見いたしました。7ドルででタイヤ約3本分の量が入っています。簡易パンク修理セットが5ドル、さらにモンキスパナを買うことを考えると、スライムの方がかなり安上がり、ということで、スライムを購入しました。家に帰り、アメリカ式のタイヤのバルブを外し、完全にタイヤの空気を抜いて、スライムを規定量導入し、空気を入れて、ちょっとコロコロとタイヤを回して、半信半疑でしたが、これだけで本当にパンクが治りました。その後、空気が抜けることもなく、無事に自転車での通勤を続けております。

 

あとになってから、『スライム』について注意喚起している日本の自転車屋さんのwebページを発見しました。日本でもスライムは売っているようですが、ちょっと高いですね。webには3年するとタイヤのバルブの先端が溶けてしまう、とのことでした。特殊なチューブを使用している自転車は使用を控えたほうがいいみたいです。でも、これで2年間パンクしないなら、2年後にチューブごと変えたとしても、私は便利なものだと思います。