とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第48週 帰国準備を始めました

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180227014316j:plain          アパートの写真

今日は研究室定例ミーティングにて、4回目のプレゼンの順番が回ってきました。ブログを読み返すと7月に初めてのプレゼンを経験し、それから8カ月の間に4回のプレゼンですから、ふた月に一度のペースでプレゼンがあったことになります。7月のブログを見ると、とても緊張していて、3週間も前から準備をしていたなんて・・・今回はパワポの準備は一週間足らず、英語の練習は前日の日曜日の夕方からと、ある意味かなり成長したように思います。コーネルに来るまでは国際学会というとそれこそすごい緊張していましたが、いまでは日本語でプレゼンするのと同じぐらいの適度な緊張感になったのではないかと思います。帰国の1週間前の定例ミーティングにて、私の最後のプレゼンを設定してもらいました。うれしいような、悲しいような(笑)。この一年で得たものを研究室の皆さんにしっかりお伝えして帰国したいと思います。
そんなわけで、長いと思っていた1年間の海外研修も残すところあと1か月ちょっとなりました。電気ガスの契約解除の準備、ケーブルテレビとネットワークの契約解除の方法の確認、その他、家の保険やら細々したものの契約の確認等、あわせて最近の週末は部屋の大掃除等にあてています。年末に妻が一生懸命大掃除をしてから帰国してくれましたが、日常的に使っている台所、お風呂場、そして寝室はそれなりに『生きた証』がこびりついているので、毎週、場所を変えながら一ヵ所ずつ大掃除を進めています。一年間の滞在だったので、物はなるべく買わずに必要最小限にとどめてきましたが、それでも捨てるには惜しいものがいくつかあるので、それらの処分方法を現在検討してます。

第47週 Cornellの年間スケジュール

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180221041357j:plain        Baker Labの入口の頭上にある記念碑

昨日(2/19日)はPresidents Dayで、世の中は祝日だったのだそうです。がしかぁし、我が研究室には定例のmeetingがあり、通常営業でした。確かにバスはいつもよりかなり空いていて、実際にCornellの2017-18 Academic Calendarを見ると、2/17-20までFebruary Breakとなっています。アメリカにはいわゆる公的な『祝日』が年間10日程度で、日本の2/3ぐらいなのだそうです。ちなみにCornellの2017-18 Academic Calendarがどうなっているかというと、

8/22 (火)授業開始
9/4 (月)Labor Day(祝日)
10/7 (土)- 10(火)秋休み(10/11が祝日:Columbus Day)
11/11(土)Veterans Day(祝日)
11/22(水)- 26(日)Thanksgiving Day休み(11/23が祝日)
12/1 (金)授業終了
12/6 (水)- 14(木)試験期間
12/25(月)- 1/1(月)大学事務冬休み(12/25が祝日)
1/2 (火)Winter 3-Week Session開始
1/20 (土)Winter 3-Week Session終了
1/24 (水)授業開始
2/17 (金)- 20(火)2月休み
3/31 (土)- 4/8(日)春休み
5/9 (水)授業終了
5/19 (日)- 22(火)定期試験
5/30 (水)3-Week Summer Session開始
6/11 (月)8-Week Summer Session 開始
6/22 (金)3-Week Summer Session最終試験
6/25 (月)6-Week Summer Session開始
8/6 (月)- 7(火)6- and 8-Week Summer Session最終試験

正式な大学の授業期間(含試験期間)は8/22-12/14の3か月半と1/24-5/22の約4ヵ月であり、その期間中に『秋休み』と『2月休み』が祝日を絡めて数日あります。日本との大きな違いは春休みが1週間程度で冬休みが1ヵ月ちょっと、夏休みがまるまる3カ月というところですね。夏休みと冬休み期間中に『特別授業』があるのも面白いですね。真面目な学生さんには遊ぶ隙を与えません。

上記の通り、大学自体はチョコチョコとまとまったお休みがあります。がしかぁし、我が研究室では『秋休み』と『二月休み』はおろか『公式夏休み』すらもない、鬼のような研究室です(笑)。Academic Calendarにあるお休みのうち、我が研究室のお休み(定例meetingがなかったの)はThanksgiving Day休みとクリスマス休みだけでした。あ、『秋休み』はなかったけど、『Columbus Day』は休んだ記憶が。7月の独立記念日もお休みだったかも?とは言え、今年が人生の中で一年間にもっとも多く大学に通った年であることは疑う余地はありません。

第46週 続FullProf備忘録

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                     Baker LabとPSB(Physical Sciences Building)

先週に引き続き、FullProfネタです。
先週の記事にある通り、ほぼ独学でやってきたことなので、間違っていることは多々あると思います。ここに書いたことが間違いで、それによって損害が生じたとしても責任は負いかねます。しつこいようですが粉末X線回折(XRD)データのリートベルト解析であれば『RIETAN-FP』を使用することを強くお勧めいたします。

☆占有率や原子変位パラメータの制約条件について
先週の記事にありますが、『金研中性子粉末回折装置 HERMES』のサイト内の『磁気構造解析プログラムFullProf』とそのサイト内の『FullProf解析のTips集』の『CODEの意味』の箇所に制約条件の設定に関する説明があります。こちらをご一読してください。とても分かりやすく丁寧に説明されています。

更にその少し下にある『占有率の定義』の箇所もとても重要です。
RIETAN-FPは各サイトに『とある原子』が100%占有している場合、どのサイトの占有率も『1.0』とすれば良いわけですが、FullProfの場合、上記サイトさまで説明されているように、『とある原子』が100%占有している場合、各サイトの『占有率』に記述する値が異なります。具体的には、人の論文で恐縮ですが、J. Am. Ceram. Soc., 98 [4] 1292–1299 (2015)の1295ページにFullProfでリートベルト解析した温度変化による各サイト占有率の値がありますので、参考にしてください。この論文の占有率の記述の仕方は上記サイトさまの『占有率の定義』とは作法は異なりますが、この論文の著者は『Eu2Zr2O7』の組成式の値を元に占有率を定義し精密化させたように思います。すなわちEuが主成分の16dサイトにEuとZrを足して『2.0』、Zrが主成分の16cサイトにZrとEuを足して『2.0』、酸素48fサイトと酸素8aサイトの占有率を足して『6.0』と定義しています。Eu2Zr2O7はパイロクロア型構造ですので、この他に酸素8bサイトの占有率を『1.0』とし、酸素の合計量を『7.0』としていると推察します。上記の占有率の定義をFullProfの作法にのっとって具体的に記述すると以下の通りになるはずです。

F d -3 m <--Space group symbol
!Atom Typ X           Y            Z            Biso      Occ        In Fin N_t Spc /Codes
Eu16d Eu 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      0.00
Zr16d Zr 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      0.00
Zr16c Zr 0.00000 0.00000 0.00000 1.20000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      0.00
Eu16c Eu 0.00000 0.00000 0.00000 1.20000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      0.00
O8b O 0.37500 0.37500 0.37500 1.00000 1.00000 0 0 0 0
                 0.00       0.00       0.00       0.00      0.00
O48f O 0.33900 0.12500 0.12500 1.00000 6.00000 0 0 0 0
                 0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
O8a O 0.12500 0.12500 0.12500 1.00000 0.00000 0 0 0 0
                 0.00       0.00       0.00       0.00       0.00

二つのCationにてEu主成分サイト(16d)に固溶するZrはZr主成分サイト(16c)からやってきたと仮定し、あふれるEu主成分サイト(16d)のEuがZr主成分サイト(16c)へ固溶すると仮定した場合、以下のような記述になります。

Eu16d Eu 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      11.00
Zr16d Zr 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00     -11.00
Zr16c Zr 0.00000 0.00000 0.00000 1.20000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00      11.00
Eu16c Eu 0.00000 0.00000 0.00000 1.20000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00       0.00     -11.00

また、酸素48fサイトの酸素が酸素空孔サイト(O8a)に移動し、移動した分は酸素空孔となると仮定した場合、以下のような記述になります。この場合、多重度の異なるサイト間の占有率の制約条件となりますが、RIETAN-FPよりも単純に設定できます。(XRDの場合、酸素サイトの占有率の精密化はかなり難易度が高い(信頼性が低い)ことなので、あまりお勧めできません)

O48f O 0.33900 0.12500 0.12500 1.00000 6.00000 0 0 0 0
                  0.00       0.00       0.00       0.00      21.00
O8a O 0.12500 0.12500 0.12500 1.00000 0.00000 0 0 0 0
                  0.00       0.00       0.00       0.00     -21.00

サイト占有率と原子変位パラメータは同時に精密化をすることは困難です。従いまして原子変位パラメータを精密化する場合は占有率を固定した方が無難です。また酸素サイトの原子変位パラメータを個別に精密化することもXRDデータでは困難でありますので、酸素サイトを共通とし、各原子変位パラメータを精密化する場合は、以下のような記述になります。

Eu16d Eu 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00      11.00       0.00
Zr16d Zr 0.50000 0.50000 0.50000 0.80000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00      11.00       0.00
Zr16c Zr 0.00000 0.00000 0.00000 0.90000 2.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00      21.00       0.00
Eu16c Eu 0.00000 0.00000 0.00000 0.90000 0.00000 0 0 0 0
                       0.00       0.00       0.00      21.00       0.00
O8b O 0.37500 0.37500 0.37500 1.00000 1.00000 0 0 0 0
                  0.00       0.00       0.00     31.00       0.00
O48f O 0.33900 0.12500 0.12500 1.00000 6.00000 0 0 0 0
                  0.00       0.00       0.00     31.00       0.00
O8a O 0.12500 0.12500 0.12500 1.00000 0.00000 0 0 0 0
                  0.00       0.00       0.00     31.00       0.00

占有率の値を本来のFullProfの作法である『1÷多重度×100』の方式、また組成式に合わせる方式どちらにしても、尺度因子の値が『いい』加減の値に精密化されるので、各種R値に影響はほとんどないと思います。

第45週 FullProf備忘録

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     FullProfによるリートベルト解析結果

家族が一緒だった時は、毎週、どこかしらへ遊びに行っていたので、ブログネタに困ることはありませんでしたが、最近は週末に雪が降ると、買い物すら行かずに引きこもり状態・・・ということで、ネタが尽きてしまったので、自分以外には何の役に立ちませんが、しばらくの間ネタが見つかるまで、自分の研究関連の備忘録的ブログとしますので、ご了承ください。

『FullProf』とは粉末結晶構造解析に使用するリートベルト解析用プログラムのひとつです。欧米では主流なのではないでしょうか。日本人であれば『RIETAN-FP』というすばらしいソフトウェアがあるので、私が『FullProf』を積極的に使用する理由はただ一つです。J-PARCの中性子回折データを『Z-Rietveld』でうまく解析できないデータがあったので、『FullProf』だったらできるのかなぁ?という疑問をかねてから持っておりました。研究室のmeetingの時に、『FullPorfにチャレンジしてみたい』という話をした所、『俺、FullProfできるよ』というポスドクさんがいたのがきっかけで『FullProf』の修行が始まりました。実際には多重度の異なるサイト間での占有率の制約条件の設定の仕方等、そのポスドクさんは『やったことないから、わからない』ということで、ほぼ独学でやってきたことなので、間違っていることは多々あると思います。ここに書いたことが間違いで、それによって損害が生じたとしても責任は負いかねます、ということをお約束として、まずは記しておきます。私自身、ずーーーと『RIETAN-FP』にお世話になっております。今後もそれは変わりありません。粉末X線回折(XRD)データのリートベルト解析であれば『RIETAN-FP』を使用することを強くお勧めいたします。

FullProfの日本語での情報は『金研中性子粉末回折装置 HERMES』のサイト内の『磁気構造解析プログラムFullProf』とそのサイト内の『FullProf解析のTips集』に情報があります。オフィシャルな大学サーバ上のサイトなので、直リンクしませんが、Google先生に問い合わせればすぐに当該ページを教えてくれるはずです。10年前に更新は止まっていますが、データ入力ファイルの形式や占有率の設定の仕方など基本的なことは変わっていません。まずは、そちらのページを熟読することをお勧めいたします。またYoutubeには最新バージョンに近いFullProfを使用したXRDデータの基礎的な解析の流れを解説したものがありますので、これらも非常に参考になります。


1.RIETAN-FPとFullProfを比較した時に思うことは以下の通りです。
RIETAN-FPの長所
1)開発者は泉先生ですので、日本語の情報が非常に多い
2)日本語版の入力ファイルがある
3)最終的な精密化結果を得るのが早い(発散せずに収束してくれる)
4)しかも精密化計算が早い(軽い)
FullProfの長所
1)精密化途中の計算プロファイルと残差の変化が見える
2)ほとんどのことはEditor of PCR Files(GUI)上で操作できる
3)一部の制約条件は自動で入力される
FullProfの短所
1)パラメータを多くして精密化すると簡単に値が発散する
2)さらに値が発散すると構造因子の入力内容が消えてしまう場合がある
3)占有率等の制約条件は直接入力ファイルを編集する必要がある
4)なんだか遅い

2.FullProfを使用した私独自の解析の流れは以下の通りです。
1)データファイル(*.dat)を作成
2)データファイルを元にFullProf Suite ToolBar上にあるWinPLOTRを使用してバックグラウンドファイル(*.BGR)を作成
3)ED PCR上でcifファイルから構造モデルを読込み入力ファイル(*.pcr)の雛型を作成
4)ピーク形状に関するパラメータを丁寧に精密化
5)バックグラウンド点数を増やし、最終的にはバックグラウンドファイルを適用
6)構造因子の値をひとつずつより丁寧に精密化
7)パラメータの値がほとんど動かなくなったら、占有率等の制約条件を追加して精密化

3.私が経験したFullprof関連のトラブル・注意点は以下の通りです。
1)各ファイルのパスに2バイト文字(日本語)があると読み込みができない
2)仮想的化学種を使用して作成したcifファイルから構造を読込んだ時は適当な原子に変更する
3)非対称パラメータを精密化する時には、『Patterns information』の『Geometry/IRF』の『Peaks below this 2Theata limit...』を入力すること
4)占有率・原子変位パラメータの制約条件は『保存』アイコンを押した後に『*.pcr』を直接編集する

占有率・原子変位パラメータの制約条件の具体的な入力については来週?

第44週 一人暮らしで1ヵ月

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180131012303j:plain              一晩でまた雪景色に!

家族が帰国し、人生で初めての一人暮らしが始まり1ヵ月が経過しました。お陰様で1週間の着回し・洗濯のサイクル、朝食とお弁当(到底『お弁当』と呼べるレベルのものではありませんが・・・)作り、そして夕食の用意と食後は3食分の後片付けと、自分なりのスタイルが確立されつつあります。家族がいた時は、毎週Wegmansへ食料品を買いに行っておりましたが、妻がお弁当用の冷食、またお肉類は付箋付きで小分けにして冷凍してくれて残しててくれたので、毎週買うものというと、果物類と野菜類ぐらいです。キッチンペーパーやトイレットペーパー、シャンプー石鹸等の日用品にいたるまで、おおよそ必要なものは全部ストックしてくれました。1ヵ月間の日用品等の減り具合から予想して、ギリギリ、追加購入の必要はなさそうです。改めて『できる妻』だと感心(イヤイヤ感謝)致しました。ですので一人暮らしを始めてからほとんどお金を使っておりません。妻と買い物に行くと最低2時間コースでしたが、先週末一人で買い物へ行ったら、家を出て戻って来るまでに30分ちょっと、なんとも無駄のないことで・・・。
可能な限り、毎日、家族にLine電話してます。『14時間の時差』というのは本当に微妙で、日本時間の朝7時(Ithacaの17:00)には長女は部活のため、登校してしまい、私が起床する朝6:30(日本時間の20:30)には子供達は寝る準備に入ってしまいます。3/11には夏時間が始まるので、そうなると時差13時間になり、今より、時差による苦労が減るかもしれません。まだまだ先のことですが・・・
いよいよ、残り二カ月、海外研修の総まとめに向けて、頑張ります。

第43週 楽しかった新年会

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180123055614j:plain       凍りついたIthaca滝

先週末、Cornellで何年もお仕事をされているFさんより、お誘いがあり、新年会に行って参りました。紅白歌合戦を視聴しながらお餅を食べ、(他の家の)子供達とUNOをし、とても楽しい、新年会らしい新年会でした。気が付けば夜10時過ぎまで、おじゃましてしまいました。楽しい時間は本当にあっという間ですね。
今年のリアルの年末年始はケーブルテレビのオンデマンドで見れる映画をひたすら見続け、一言も声を発さずに3日ぐらい過ごしていましたから・・あ、家族とLineでテレビ電話したので、10分ぐらいは話をしてましたね。
Fさんをはじめ、みなさん、お誘いくださり、ありがとうございました。

第42週 アメリカ式誕生日会の想い出

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180116032020j:plain     グミで作った立方晶ペロブスカイト構造!

長男の高校受験のため、家族が帰国し、もうすぐ3週間となります。一人暮らしのリズムもだいぶ整ってきたので、使っていない部屋の大掃除と荷物整理をしていたら、次男のお友達のお誕生日会の時にゲットした品物がいろいろとでてきました。長女と次男は4月生まれで、こちらの小学校に通い始めた時には二人ともお誕生日後であったため、うちではお誕生日会を催すことがなかったのですが、次男は度々お誕生日会にお呼ばれ(Kinder, 1st gradeの場合、クラスのみんなに招待状を出すみたいです)しておりました。一緒に遊んだことがないお友達のお誕生日会には参加しなかったのですが、Z君のお誕生日会には『行きたい!』というので、これも経験とアメリカ式お誕生日会へ、なぜか三男もつれて私もお誕生日会に参加したことがありました。
webで『アメリカ 誕生日会』と検索すれば、アメリカ在中のママさん方がお誕生日会で大変苦慮されている日々を送っていることがよくわかります。アメリカでは子供が関係するほぼすべての施設でパーティスペースが用意されています。Ithaca周辺にもScioncenter、YMCA、Billy Beez等の施設には専用の別室があります。今回Z君のお誕生日会はYMCAで誕生日の近いもう一人のお友達と共同開催ということでした。Z君はレゴ好きということだったので、お誕生日プレゼントとして15ドルぐらいのレゴセットを購入しました。アメリカには『ギフトレシート』なるものがあり、プレゼントが気に入らない場合はそのレシートと品物を購入店に持って行くと、別の品物に交換できるのだそうです。何とも合理的な制度です。(ちょっと寂しい気もしなくもないですが・・・)
お誕生日会では、まずはYMCAの体育館へ、バウンスハウスやパラバルーンの小さいやつをお誕生日会アイテムとして用意してくださり、次男と三男、そしてたくさんのお友達と一緒に汗だくになるまで、それらを存分に堪能しました。その後、2階の別室へ移動し、いよいよお誕生日会の本番かと思いきや、そこでは『一日科学者になろう!』という張り紙と共に子供用保護メガネが置いてありました。部屋の中を見ると、身近なものを利用した科学実験ができるようなアイテムがたくさん用意してありました。

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180116032056j:plainまたスナックについても、結晶成長させたつくった飴や試験管入りグミ、シャーレ入りゼリー、三角フラスコ型クッキー等、科学実験に関連したものばかり。YMCAではお誕生日会オプションとして、こんな提案をしてくれるんだぁと感心していたら、話によると全部Z君のお母さんが考案したイベントなのだそうです。やはり、アメリカのママさんはお誕生日会に対する情熱が半端ありません。Z君ママの素晴らしい発想のおかげで体を思う存分動かし汗をかき、その後は面白科学実験でまた楽しい時間を過ごしました。そして、最後の最後にHappy Birthdayの歌を歌い、ケーキカットし、そのケーキをみんなで食べてお誕生日会はお開きとなりました。
お誕生日会の週明けの月曜日の朝だったと思います。いつものようにバスに乗って大学へ向かうと、途中のバス停から乗り込んできた紳士が私に挨拶をしてくれました。見ると、Z君パパでした。『今までもきっと顔を合わせていたんだろうねぇ』と笑いかけてくださるやさしいZ君パパを忘れません。
子供達と一緒にIthacaに来ていなかったならば、私の人間関係は本当に狭いものになっていただろうなと思います。妻と子供達、一緒にIthacaに来てくれて、本当にありがとう。