とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第15週 初めての『Question』

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170713045208j:plain           外に時計台が見えるMeeting Room

 

先週予告していた通り、Group Meetingにていよいよ自分の発表の順番が回ってまいりました。毎週定例の我が研究室のMeetingでは、まずはじめに毎週1名が順番で自分が興味を持った最近出版された論文を紹介し、教授をはじめ研究室の学生さんからその論文に対して質問を受け答えをする『Question』があり、その後、他の一名が自分の研究について、学会での発表と同形式で文字通り『Presentation』があります。その後、『Sub-group Meeting』として、『Fuel Cells』と『Batteries』それぞれのGroupが残り、一人ひとりが最近の実験経過を報告いたします。朝9:00からスタートし、時には終わりが11:00を過ぎることもありとても濃厚なMeetingとなっております。6月頭まで前述の通り、教授が海外に行っていて留守であっても、毎週Group Meetingがあり、各自順番に発表をしていました。幸いなことに私は6月までの予定作成時に研究室に在籍していなかったので、順番に入っておりませんでした。6月に入り、Group Meetingにて博士課程卒業・中間審査の発表練習が始まり、それが一通り終わり今週からまた上記の『Question』、『Presentation』、『Sub-group Meeting』のサイクルが始まりました。そしてトップバッターは当然のように私となったわけです。
日本では『固体酸化物形』燃料電池電解質材料の研究をしていたので、こちらの研究室のメインの『固体高分子形』燃料電池の論文をあまり読んだことがありませんでした。どんな論文を選ぶかが重要なわけですが、自分が得意とする酸化物を白金触媒の代わりに使用した最近の論文を発見し、その論文を紹介することとしました。人の論文をさも自分の研究発表のようにパワーポイントを作成し、自分が疑問に思ったことは論文にある参考文献を熟読し、都合20報以上の論文を読むことができました。日本の私の所属する大学ではオンラインで見ることができる材料系の論文誌は限られており、オンラインで見ることができない読みたい論文がある場合は図書館を介して文献複写依頼をし、1週間後に読めればラッキーという感じです。それでも、一般の企業の研究者さんに比べれば『大学間の文献複写』というとても低コストで論文を読むことができるのでそれはそれで幸せだなぁ、と思っていたのですが、コーネル大学では見たい論文はすべてオンラインで見ることができました・・・『見たい!』と思った時にすぐに見ることができる幸せ、一流の大学では当たり前の事なんでしょうけど、とても恵まれた環境にあることを再認識いたしました。
そんなこんなで約3週間も準備期間があったこともあり、私の初めての『Question』は教授からの数々の質問にも参考文献からの予備スライドで対応できました。また学生さんからの質問も自分的にはちゃんと答えられたつもりです。私の話す英語はおそらく子供が話すようなレベルの英語なんだろうと思いますが、質疑が終わった後、Groupの皆さんから拍手をしてもらうことができました。なんだかやっと研究室の正式な一員に認めてもらえたように感じます。