とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第42週 アメリカ式誕生日会の想い出

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180116032020j:plain     グミで作った立方晶ペロブスカイト構造!

長男の高校受験のため、家族が帰国し、もうすぐ3週間となります。一人暮らしのリズムもだいぶ整ってきたので、使っていない部屋の大掃除と荷物整理をしていたら、次男のお友達のお誕生日会の時にゲットした品物がいろいろとでてきました。長女と次男は4月生まれで、こちらの小学校に通い始めた時には二人ともお誕生日後であったため、うちではお誕生日会を催すことがなかったのですが、次男は度々お誕生日会にお呼ばれ(Kinder, 1st gradeの場合、クラスのみんなに招待状を出すみたいです)しておりました。一緒に遊んだことがないお友達のお誕生日会には参加しなかったのですが、Z君のお誕生日会には『行きたい!』というので、これも経験とアメリカ式お誕生日会へ、なぜか三男もつれて私もお誕生日会に参加したことがありました。
webで『アメリカ 誕生日会』と検索すれば、アメリカ在中のママさん方がお誕生日会で大変苦慮されている日々を送っていることがよくわかります。アメリカでは子供が関係するほぼすべての施設でパーティスペースが用意されています。Ithaca周辺にもScioncenter、YMCA、Billy Beez等の施設には専用の別室があります。今回Z君のお誕生日会はYMCAで誕生日の近いもう一人のお友達と共同開催ということでした。Z君はレゴ好きということだったので、お誕生日プレゼントとして15ドルぐらいのレゴセットを購入しました。アメリカには『ギフトレシート』なるものがあり、プレゼントが気に入らない場合はそのレシートと品物を購入店に持って行くと、別の品物に交換できるのだそうです。何とも合理的な制度です。(ちょっと寂しい気もしなくもないですが・・・)
お誕生日会では、まずはYMCAの体育館へ、バウンスハウスやパラバルーンの小さいやつをお誕生日会アイテムとして用意してくださり、次男と三男、そしてたくさんのお友達と一緒に汗だくになるまで、それらを存分に堪能しました。その後、2階の別室へ移動し、いよいよお誕生日会の本番かと思いきや、そこでは『一日科学者になろう!』という張り紙と共に子供用保護メガネが置いてありました。部屋の中を見ると、身近なものを利用した科学実験ができるようなアイテムがたくさん用意してありました。

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180116032056j:plainまたスナックについても、結晶成長させたつくった飴や試験管入りグミ、シャーレ入りゼリー、三角フラスコ型クッキー等、科学実験に関連したものばかり。YMCAではお誕生日会オプションとして、こんな提案をしてくれるんだぁと感心していたら、話によると全部Z君のお母さんが考案したイベントなのだそうです。やはり、アメリカのママさんはお誕生日会に対する情熱が半端ありません。Z君ママの素晴らしい発想のおかげで体を思う存分動かし汗をかき、その後は面白科学実験でまた楽しい時間を過ごしました。そして、最後の最後にHappy Birthdayの歌を歌い、ケーキカットし、そのケーキをみんなで食べてお誕生日会はお開きとなりました。
お誕生日会の週明けの月曜日の朝だったと思います。いつものようにバスに乗って大学へ向かうと、途中のバス停から乗り込んできた紳士が私に挨拶をしてくれました。見ると、Z君パパでした。『今までもきっと顔を合わせていたんだろうねぇ』と笑いかけてくださるやさしいZ君パパを忘れません。
子供達と一緒にIthacaに来ていなかったならば、私の人間関係は本当に狭いものになっていただろうなと思います。妻と子供達、一緒にIthacaに来てくれて、本当にありがとう。

第41週 雪・雪・雪

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          氷のCayuga Lake

先週末、NYCでは大雪のため、非常事態宣言がでました。Ithacaも連日のように雪が降りましたが、いつも通りに朝には道路の雪は除雪され、バスが普通に走っていたので(本当は家にいても寒いし、暇なので)、当初の予定通り1/4から大学へ行きました。4、5日の二日間、大学では教授とポスドクさんにしか会いませんでしたが・・・。アジア系の学生さんは年末年始に里帰りしているみたいです。
Ithacaでは車が真っ白になるくらいに道路に凍結防止剤をまいているので、13号線のような主要道路は当然のことながら、対面通行できる中央車線のある道路は公的に除雪されており、雪が降った翌日には安全に車の運転ができます。一体どれだけの費用が掛かっているのか、想像するに恐ろしいですが、そのおかげで『雇用』が創出されいるのかもしれません。私が住んでいるアパートにも4WD車の前にブルドーザーのような可動式のブレードがつけられていて、簡易型の除雪車になっています。
今日も大学にきましたが、午前中はポスドクさん(彼は年末年始も大学に来ていたようです)に会っただけ、学生さんが一人も来ません。ひょっとして、私が気が付かないだけで、Ithacaも非常事態宣言が出ているのかも(笑)

第40週 家族の帰国(飛行機乗遅れ記録)

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20180101025358j:plain    3カ月間のしばしのお別れ

 

あけましておめでとうございます。さて、前回の続きです。
クリスマスの朝に家族が帰国する予定でしたが、色々なトラブルが重なり、飛行機に乗り遅れてました。
人生の中で、あってはならない大失態ですが、自分への戒めのつもりで、記録を残します。

トラブル1.雪が降り、風も強く悪天候
クリスマスの時期なので、雪が降ることは当然想定していたので、Syracuse空港の近くのホテルに前泊しました。離陸90分前に空港に着くように予定しておりましたが、車の雪下ろしに思った以上に時間がとられてしまいました。

トラブル2.空港前の道路が閉鎖
5人分の荷物(段ボール7箱、スーツケース3つ、他手荷物5個)が多かったので空港前に車を停め、荷物を降ろした後に駐車場へ向かう予定でおりました。夏に両親を見送った時に、アメリカン航空のカウンターの位置を確認していたので、最短距離で荷物を移動できる入口は確認済みだったのですが、空港前につながる道が封鎖されており、駐車場から荷物を運ぶ必要がありました。

トラブル3.ポーターさんを簡単に見つけられず
当初、空港前に止めればカウンターまでの距離は30mぐらいなので、最悪、自分たちで荷物をカウンター前まで運べばと考えておりましたが、駐車場から空港へは、空港前の道が封鎖されているため、連絡通路を通る必要がありました。連絡通路は駐車場2階からは階段を上り、駐車場3階からは階段を下った2階と3階の中間にありました。10個の大荷物を自分たちの力でカウンター前まで運ぶのは無理だと思ったので、エレベーターから荷物を移動している間に、ポーターさんを探しに長男が空港へ向かいましたが、ポーターさんを見つけることができませんでした。私が再度、空港へ向かい、なんとかポータさんを見つけることができました。

上記の3つのトラブルが悪循環のように重なり、カウンター前に到着したのは離陸45分前、乗り継ぎ有の国内線なのでギリギリ大丈夫であろうと、機械で搭乗手続きをしていたら、エラーが表示され、係員さんに見てもらうと、『Too late』の一言。

せっかく前泊をしたのだから、前日に空港の様子を下見するべきでした。両親を見送った時に、空港の構造を確認していたことが仇となりました。過信は禁物でした。5人分の飛行機代、正規料金だと100万円越えかなぁ、などと呆然と考えておりましたら、係員さんがチケットとパスポートを出してというので、5人分のチケットとパスポートを渡し、2日後の同じ時間の飛行機を5人分手配してもらいました。がっくりと項垂れる私に『水曜日は6時半までに来てね!はい、あなたは何曜日の何時までにここに戻ってくるか、言ってみて!』と言われたので、『私は水曜日の朝は5時半にここへ来るようにします』と返事をし、チケットとパスポートを受取り、帰りました。

一生懸命おろした荷物を車に乗せ、この時点で朝8時半過ぎ、宿泊したホテルが運よく2連泊追加でとれたので、とりあえず、チェックインまで温かい所で過ごそうとDestiny USAへ向かいました。webを見ると10時開店とのこと、ただしクリスマスは時間変更の可能性あり、との意味深な記述がありました。アメリカのクリスマスは家族で過ごすのが基本・・・10時になってもお店は閉まったまま。どうやら映画館のみ営業しているようです。誰もいない巨大ショッピングモールを散歩した後、おなかが減ったけど、フードコートも当然開いておりません。webで他の場所で開いているお店を探し始めましたが、24時間営業のあのWalmartですら、クリスマスはお休み、なんとマックは全店ではありませんが、開いているお店があるようです。ホテルへ行く途中に開いているマックがあるようなので、そこへ向かいました。マックに腹ペコ状態で到着、ハンバーガーとポテトがとてもおいしかったです。さて、チェックインは15時となっていますが、ダメもとでホテルへ行ったところ、朝と同じ人がロビーにいてくれました。『飛行機に乗り遅れちゃって・・・』と予約を確認してもらったら、『どうぞ、部屋に入ってください』とのこと。この日の午後はテレビを見ながら、まったりと過ごしました。

翌日は再度、Destiny USAへ向かい、本当に最後の想い出ということで、WonderWorks という室内遊園地のようなところで子供達と遊び倒しました。(妻はもう荷物が入らないというのにお買い物へ・・・)また、Destiny USAに来た時に毎度、気になっていた、CanyonClimbという、2階から3階までの吹き抜けにロープが張り巡らされたアトラクションに長男、長女、次男が挑戦しました。思いっきり遊び、フードコートで食べたいものを食べ、アメリカ生活に思い残すことはないと言わんばかり、最後の一日を家族で楽しみました。ホテルへ戻り、明日は早いから早く寝ようとしたら、長女が『飛行機の席はバラバラになるの?』と心配そうな顔で、聞いてきました。帰りのチケットの事は見て見ぬふりをしてきましたが、重要なことです。振替のチケットを手配してもらった時に、特に費用を請求されておりませんでしたが、帰りをクリスマスの朝に決めたのは、チケットが安かったからです。再発行してもらったチケットには座席の表記がなく、名前と便名だけが記載されておりました。webで座席指定をしようとしても、変更できない座席が確定していないチケットでした。『バラバラになっても、離陸したら、日本人の人に席が近くなるようにママが頑張るから・・』と答えると、長女は泣き出してしまいました・・・

翌朝、全員4時半起床、長男と私は5時に先に車で空港へ向かい、荷物をおろし、妻と3人の子供達は5時半にホテルのシャトルバスで空港へやって参りました。カウンターには月曜日の朝と同じメンバーの方々が『本当に5時半に来たね!』と温かく迎えてくださりました。正式なチケットを発券してもらった後、恐る恐る座席を見ると、なんと5人並びの席をとってくれていました。涙が出そうになりました。しかも追加費用も必要ないとのこと。神様、仏様、アメリカン航空様!チケットの手配をしてくれて方に何度もお礼を言って、荷物を預け、搭乗口へ向かいました。

こうして無事(いや、有事ですね)、家族は日本へ2日遅れで帰国しました。もう二度と、飛行機に乗り遅れることは私の人生においてないようにしたいと思います。後ほどwebを調べたら、飛行機に乗り遅れた場合、色々なケースがあり、私の場合は、本当にとても幸運なケースであったことがわかりました。クリスマス休暇を与えすぎてニュースになったアメリカン航空ですが、とても良い航空会社の一つであると思います!2017年のクリスマスはおそらく生涯忘れることはありません。

教訓
1.雪の空港は夏の時とは別物。必ず下見をすること。
2.国内線とは言え、荷物が多い場合は90分前に搭乗手続きを完了させる。
3.遅れても、代わりの飛行機を手配してくれる場合があるので、カウンターへGo!

第39週 Christmas Party

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        生まれて初めての七面鳥の丸焼きです。大きい!

 

先週末はFarewell partyを開いていただきました。いよいよ12/25(月)の朝の便で妻と子供達は日本へ帰ることとなるので、12/24(日)は安全のため、Syracuse空港の近くにホテルをとっておりました。なので、今年のChristmas Partyはできないなぁと考えておりましたら、なんと、12/23のお昼に私たちのために、Yさん主催でChristmas Partyを開いてくださりました。七面鳥の丸焼き、ジンジャーブレッドデコレーション、変な味グミ大会、ケーキデコレーション、そしてプレゼント交換。アメリカのChristmas Partyを体験させていただきました。子供達と私達もとても楽しい時間を過ごさせていただきました。本当に最後の最後まで、ありがとうございました。

さて、こうして翌日のChristmas Eveに、Ithacaでの楽しい思い出を抱え、Syrcacuseへ向かいました。そして、翌朝、Christmasの朝に飛行機に乗るはずでしたが・・・続きは、次の記事で。(更新が遅れた理由は・・・)

第38週 Farewell party

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        寄せ書き、ありがとうございました!

先週末にお友達ご家族がCass Parkのスケート場でFarewell partyを開催してくださりました。Ithaca滞在期間9か月という短い期間でしたが、たくさんの方々に来ていただきました。
前回、スケートに来た時と比べて長女と次男はかなり上達しておりましたが、Ithacaに在中のお友達のスケートがうまいこと、うまいこと。おいかけっこをしたら、直線スピードは何とかついていけますが、体が小さく軽いので、スピードが乗ったままのコーナーリングの回転半径が小さく、第一コーナーではなされます(泣)。寒いはずなのに汗を流した後は、ピザとチョコレートケーキ、そしてポップコーンをおいしくいただきました。子供達はおなかが満たされたら、またすぐにスケートリンクへ。ちょうどこの日にはイベントでスケートリンクにサンタクロースがやってきました。リアルサンタさんです(笑)。子供達一人ひとりにsmall presentを渡してくれました。お友達ご家族の皆さんのおかげで、Ithacaでの最後の想い出として、本当に楽しい時間を過ごすことができました。

思い返せば、夏休みのポケモン狩りやバーベキュー、またいろいろな遊び場所を教えていただき、それこそ日本では経験できないようなことを色々と体験させていただきました。その一つ一つが本当に宝物です。子供達に、『アメリカに来てよかった?』と聞いたところ、皆『来てよかった!』と言ってくれました。子供達がIthacaでとても充実した楽しい時間を過ごせたのは、皆さんがいてくださったからこそだと思います。皆さんに出会えて幸せです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。本当にたくさんの想い出をありがとうございました!

第37週 Downtown Ithaca Ice Festival

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20171212032348j:plain     ガスバーナー後の氷の彫刻(この彫刻が優勝したそうです)

週末にDowntownで毎年この時期に開催されているというIce Festivalがあり、最終日の土曜日には米国内の氷彫刻家による賞金$9,000をかけたIce carving competitionがあるということで、完成まじかの時間帯を狙って行って参りました。
Ithaca Commonsへ散歩目的(含むポケモン狩り)で来るのは9月末のApple Harvest Festival以来です。最高気温が零度ですので、歩いているだけで、寒くなります。考えてみたら気温が零度超えていたら、氷の彫刻が溶けだしてしまい、製作が格段に難しくなるんでしょうねぇ。Ithaca Commonsのそれぞれの場所10か所ぐらいで氷彫刻家さんが、作品を一生懸命仕上げておりました。中には、崩れてしまった残骸だけが残っているブースもありました。この大きさの氷彫刻を作成している風景を初めて目の当たりにしましたが、『この大きさの氷をこの角度でくっつくの?』というようなものを、熱い鉄板を氷の接着面どおしで挟み込み、次々と接合させていく技術は本当に見事なものでした。大きな部品を接合させるたびに自然と拍手が沸き起こりました。すべての大きな部品を接合し終えると、ガスバーナーで表面を溶かし、光の乱反射で白かった氷の彫刻がミルミルと透明に変化していく様子はとても幻想的でした。氷彫刻の作品以外にも、座ることができる氷の王座や氷でできた記念撮影用の顔を出すやつ(笑)があり、最後の家族でのダウンタウンの散歩を、寒かったけど楽しむことができました。

翌日曜日の午後には、長女がSciencenterへ行きたい!ということで、下三人の子供を連れて、最後となるであろうSciencenterへ行って参りました。何度となく、Sciencenterに行きましたが、今回初めて駐車場が満車という状態に出くわしました。皆さん、考えることは同じです。雪が降って寒い時にはSciencenterが鉄板ですね。外の遊具で遊んでいる子が一人もいないので、室内はちょっと人が多すぎてカブトガニタッチも順番待ちだなんて初体験でした(笑)。長女の一番の目的であった工作のブースも今までにないぐらい、テーブルの上は散らかり放題、やっとスペースを確保し、3人の工作が始まりました。この日はちょうど妻の誕生日だったので、子供達はママへのプレゼントをここで工作したかったのだそうです。三男はオリジナルマラカスを作成した後、力尽き、寝てしまいました。その後も、長女と次男の工作は続き、それぞれの力作が完成しました。長女はママへのお手伝いチケットとそのケース、次男はママへの手紙とそのケースだそうです。本当にやさいい子供達に育ってくれて、とてもうれしく思いますって、私からの子供達へ情操教育は皆無に等しい(というか反面教師?)ので、すべては妻の子育ての賜物。ありがとう、妻。お互い44歳の誕生日をIthacaで迎えることができたことは人生の良い思い出になるだろうと思います。

第36週 Cornell大学の日本語教育

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20171204234231j:plain日本語で『少年老い易く学成り難し』とありました。(元は漢文ですけどね)

2週間に一回のペースでCornell大学で日本語を学ぶ二人の学生さんから日本語のインタビューをうけておりましたが、その総まとめとしてのプレゼンテーションがありますと日本語の先生から連絡をいただました。好き放題、話をしていたので、彼ら二人のプレゼンがどのようにまとめられたのか、興味があり、Cornell大学の日本語教育の授業を見せてもらえる良い機会なので、プレゼンテーションを聞きに行って参りました。
教室へ行くと10名ぐらいの学生さんがいらっしゃいました。日本語の先生とはメールで何度もやり取りをしていたのですが、この時に初めてお会いし、ご挨拶をいたしました。プレゼンテーションに先立ち、2人のプレゼンテーションにでてくる難しい日本語の単語について、意味を下の選択肢から選ぶような簡単なQuizがありました。問題も含め当然すべて日本語です。問題を見てみたら、『助成金』や『触媒』とか、日常生活ではまず使用しない漢字の単語ばかりでしたが、学生さんはスラスラと回答を埋めていくのを見て驚きました。
まずはI君。『研究者の仕事について』という内容で私の話をまとめたのだそうです。私の大学のキャンパスの写真をトップに持ってきてくれており、私の事をちゃんと調べてくれたんだぁとちょっと感動しました。インタビューの時に『私の場合、本務は研究所の運営なので、昼間の時間帯は仕事に追われ、朝と夕方の短い時間帯だけが集中して自分の研究ができる時間なんだよ』という話をしたのですが、『日本の大学の研究者は昼の時間は学生の面倒見で研究する時間が少なく、一日のうち2時間ぐらいしか研究できない』という内容になっておりました。まぁ、正しいのでそれはそれで良いかと(笑)。彼曰く、研究の話をしている時の〇〇さんはとても楽しそうで、本当に研究が好きなんだなぁと思いますと、コメントしてくれました。そして彼は『私も研究者になりたいと思いましたが、〇〇さんほどのpassionがないから難しいと思います(笑)。私はプログラミングが好きなのでプログラミングを頑張りたいと思います』と最後にまとめてくれました。
つづいてC君。『燃料電池について』という内容で私の話をまとめてくれました。C君も私の大学のキャンパスの写真を使ってくれていました。C君自身も燃料電池の事を勉強をしてくれたらしく、『水素と酸素で発電する仕組みを燃料電池というんだけど、ポイントは水素または酸素がイオンになって、そのイオンが燃料電池の中を通って電子が燃料電池の外で仕事をするのがポイントだよ』という話をしたのですが、きちんとそのポイントを図で示してくれました。トヨタ燃料電池車を7万ドルというビックリする値段で売り出してくれたけど、庶民には高いよねぇ、という話をしたのですが、『7万ドルでトヨタが売り出したすごさ』よりも『7万ドルは高い』という印象で伝わってしまったようです(笑)。燃料電池車と水素ステーションの問題について、『鶏が先か卵が先か』という話をしたのですが、その話もしてくれました。
プレゼンテーションの後に質疑ということで、プレゼンを聞いていた他の学生さんからいくつか質問をいただきました。その一つに『プレゼンにあった写真はSHキャンパスと書いてありましたが、〇〇さんがいるのはそのキャンパスですか?』という非常にLocalな質問がありました。『私はYキャンパスです。なぜ、そんなことをしっているの?』と彼に聞き返したら、おばーちゃんが茅ケ崎に住んでいるとのこと(笑)。親近感がわきました。何人かの質問にお答えした後、プレゼンをしてくれた二人からお礼の言葉とプレゼントをいただきました。インタビューそしてプレゼンテーション、とても良いCornellでの思い出の一つとなりました。
後日、朝、自分の部屋へ向かう途中に日本語の先生にお会いしました。『もしかすると、今までもお会いしていたのかもしれませんねぇ』という話と、先日のプレゼンの感想を聞かれました。先生曰く『彼らは4年生ですが、まだ敬語の使い方がむずかしいんですよね・・』ということでした。率直な私の感想として、部屋の中ではすべて日本語でとおし、どの学生さんも同じレベルで日本語を使いこなすことができていることはすごいと思います、と伝えました。先生にお話をお伺いすると、1年生の時は週8コマ、つまり曜日によっては1日2コマの日本語の授業があるのだそうです。そして毎日、授業のレポートと宿題があるのだそうです。外国語を使いこなすために本格的に学ぶなら、これぐらいは必要なんでしょうね。彼らの日本語のレベルなら卒業後は、日本語を生かした仕事が十分できると思います。しかし、日本語の敬語を英語圏の人が理解するのは本当に難しいと思います。英語なら、友達と話す時も教授と話す時もすべてYouで済んでしまう訳ですから。このSimpleさが英語の良い所なんだと思います。