とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第22週 自転車通学

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170903211305j:plain         アメリカでは自転車もバスで運べます

 

実はこの2か月、雨でない日は自転車で通学しています。コーネルIDがあれば、バスは無料で乗れるわけですが、妻の『太ったんじゃない?』の一言で、最低限の運動ということで、自転車通学が始まりました。コーネルは丘の中腹、アパートは丘の上に位置しておりますので、行はヨイヨイ、帰りはコワイ、じゃないですけど、往路は15分ほどですが、帰りは20分以上かかってしまいます。でも、緑の中を抜けてのサイクリングはとても気持ちの良いものです。

日本ではほとんど乗ることのない自転車ですが、まるで自分の体の一部のようだ!と、調子に乗っていると、先日、往路の下りの坂道の中腹で針金を踏んでしまい、後輪がパンクしてしまいました。幸い大学の近くの坂でしたので、自転車を押していき、帰りは、自転車をバスのフロントに固定して帰って参りました。家に帰り、近くに自転車屋さんがないか、検索をしましたが、当然ありません。自分でパンクを直すことを決意し、walmartで修理セットが売っていないか検索をすると、『スライム』という商品を発見いたしました。7ドルででタイヤ約3本分の量が入っています。簡易パンク修理セットが5ドル、さらにモンキスパナを買うことを考えると、スライムの方がかなり安上がり、ということで、スライムを購入しました。家に帰り、アメリカ式のタイヤのバルブを外し、完全にタイヤの空気を抜いて、スライムを規定量導入し、空気を入れて、ちょっとコロコロとタイヤを回して、半信半疑でしたが、これだけで本当にパンクが治りました。その後、空気が抜けることもなく、無事に自転車での通勤を続けております。

 

あとになってから、『スライム』について注意喚起している日本の自転車屋さんのwebページを発見しました。日本でもスライムは売っているようですが、ちょっと高いですね。webには3年するとタイヤのバルブの先端が溶けてしまう、とのことでした。特殊なチューブを使用している自転車は使用を控えたほうがいいみたいです。でも、これで2年間パンクしないなら、2年後にチューブごと変えたとしても、私は便利なものだと思います。

 

第20-21週 マンハッタン旅行

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          42nd St. 沿いのNY州立大学のビル前

Ithacaは間違いなくNY州にある訳ですが、普通の日本人が思い浮かべるNYはNYC特にマンハッタン周辺のはずです。私もそうでした。子供達もそうです。ということで、念願だったマンハッタンへ家族6人で3泊4日の旅行へ行って参りました。

第一日目はNJのLiberty State ParkからStatue of Libertyを見に行きました。
第二日目はStaten Islandから無料のフェリーに乗り、マンハッタンの最南端から、World Trade Center跡地を見学した後、地下鉄で北上し、アメリカ自然史博物館とセントラルパークに行ってきました。
第三日目はSecaucusのNorth Bergen Park and Rideを利用し、バスに乗りLincoln Tunnel経由でマンハッタン入りし、Port Authority Bus TerminalからUberで車を呼び、国連本部を見学、42nd St. 沿いを歩きTimes Square周辺を観光しました。
最終日の四日目はWoodburyのアウトレットでたっぷりとお買い物をして帰路につきました。

☆NJからマンハッタンへの移動
NJのスーパーであるミツワにて日本食材の買い出しをすることも今回の目的の一つだったので、ミツワの近くのホテルに宿泊いたしました。NJからマンハッタンへ入る経路は色々とありますが、時間とコストのバランスを考えると、3日目に利用したNorth Bergen Park and Rideがbetterであると思います。『とある事務系リーマンのニュージャージー駐在日誌』さまのブログ(http://nj-chuzai-nisshi.blog.jp/archives/1039187253.html)に写真入りの詳しい利用方法がありますので、とても参考になりました。私達が利用した際は帰りのバスGateは『231』ではなく『213』になっていました。往路のバスで降車の際に運転手さんに帰りのGateを確認した方が良いと思います。往路は朝の渋滞につかまってしまいバスに乗ってから到着まで30分でしたが、復路はバスターミナルから10分程度でバス停に到着しました。
Staten Islandからの無料のフェリーは、途中Statue of Libertyも遠目に見ることができます。ミツワからStaten Islandのフェリー駐車場まで車で1時間以上、渋滞につかまると1時間半、フェリーの乗船時間も考えると、ミツワ周辺からマンハッタン側のフェリー乗り場まで2時間と考えたほうが良いです。時間に余裕がありマンハッタン南部を観光する場合は良いかもしれませんが、それ以外はあまりお勧めできません。Staten Island側のフェリー乗り場付近のホテルに宿泊するのなら、非常にお勧めです。

☆マンハッタン内の交通手段
南北の移動は地下鉄が便利です。東西の移動は徒歩で移動しました。国連本部ツアーの時間がギリギリになってしまったので、この時だけはUberを利用しました。初回15ドル分無料クーポンを使用したので、1ドルで利用できました。急いでいたため、バスターミナル近くの混雑している交差点を乗車場所に指定してしまったので、運転手さんに迷惑をかけてしまいました。乗車場所を通り1本かえてわかりやすい場所にしたら、もっとスムーズにUberを利用できたかなと思います。

 

ミツワマーケットプレイス

お刺身がお手頃価格(Ithacaの半額以下)で売っていました。ミツワには結局3日間通い続け購入したお寿司や丼を毎晩の夕食にしてしまいました。また購入したお刺身は店員さんが単独でビニール袋で包装してくれます。日本では当たり前ですが、日本方式がきちんと教育されていてとても感動しました。お刺身やイクラをホテルの冷凍庫で冷凍しIthacaまで持ち帰りました。併設されている美容室は日本語が通じるということで、妻と娘は4ヵ月ぶりにそこでカットをしました。

 

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            とある大学の自由なおっさん

◎The Statue of Liberty
NYマンハッタン側からの船はものすごい混雑でした。帰りの船は何回待てば乗れるの?ってぐらい混雑しておりました。NJ側の船の乗車率はNY側の1/5ぐらいでしょうか。座る席がいっぱい空いていました。マンハッタンに宿泊していないのであればNJ側からThe Statue of Libertyへ行くのがお勧めです。NJ側であればチケット売り場からセキュリティチェックを含めて10分程度で乗船場所まで行けました。Crownまでのチケットは半年以上前から予約する必要があるみたいです。台座までであれば当日でも購入できそうです。(NY側は事前に購入した方がよさそうです)

 

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               国連総会議場

国連本部ツアー
事前にオンライン予約が必要です。国連本部へ入館前にセキュリティーチェックがあることは予習しておりましたが、入館前に、通りの向かい側のビルで代表者が受付を済ませてから、敷地へ入り、その後、セキュリティーチェックとなります。Uberを利用したので、ツアー時間前に国連本部前に到着しましたが、受付とセキュリティーチェックで結局15分遅れでツアー窓口にたどり着きました。運よく予定のツアーに途中から合流させてもらうことができました。テレビで見たことがあるような会議場を見学することができるので、十分価値のあるツアーだと思います。ツアー30分前には国連本部前に到着していた方が良いですね。

◎アメリカ自然史博物館
すばらしかったの一言です。13時に入館し、ラストの17時までいましたが、時間がまったく足りませんでした。4階から地下1階までかなりの距離を歩きます。12月末に家族が帰国した後一人になったらまた見に来たいと思います。特別展示を含め、事前に見学ルートを考えておいた方が良いかと思います。

◎Woodburyのアウトレット
マンハッタン周辺から車で1時間北上した場所にあります。妻曰く、Waterlooよりも店舗数が多く、敷地も広く、楽しかったそうです。マンハッタン内はLinkNYCのFree-WiFiスポットが多数あり場所によっては使用できましたが、Woodburyアウトレット敷地内ではFree-WiFiが途切れることはありませんでした。ちなみにWaterlooアウトレットではフードコート内でもFree-WiFiはまともにつながりませんでした・・・

 

充実した4日間の家族で出かけた夏の一大イベントでした。

とても良い思い出になりました。

第19週 長男がやってきました

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170813095338j:plain        Stewart Parkにて(左の大きなのが長男)

 

両親と弟そして長男が8/6の深夜にSyracuse Hancock国際空港に到着しました。妻と下3人の子供たちが4月に到着した際は車がなかったので、迎えに行けませんでしたが、今回は空港の到着ロビーで出迎えることができました。父は若いころは仕事で海外によく行っていたとはいえ、リタイヤ後10年、入国審査をはじめトラブルが色々とあったそうで、大変な苦労を掛けてしまいました。4ヵ月ぶりの再会、長男は私の身長を抜いていました。うれしいような、くやしいような。

 

以下、楽しかった一週間の記録です

月曜日 午前中は研究室の定例meetingに参加、午後はブルベリー狩り

火曜日 Niagaraの滝

水曜日 Watkins Glen州立公園

木曜日 Ithaca滝、Buttermilk Falls州立公園、Robert H. Treman州立公園

金曜日 Taughannoch Falls州立公園

土曜日 Corrnell大学キャンパス巡り

日曜日 早朝の便にて両親と弟が帰国

本当にあっという間のとても楽しい1週間でした。

 

 

 

 

第18週 4ヵ月が経過しました

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170803023411j:plain                                                 Taughannock Fallにて

本当に早いものであっという間に4ヵ月、海外研修期間の1/3が終わりました。この4ヵ月で私の英語の力はついたのか?と問われると、『目に見えて上達している』とは決して言えませんが、それでもとっさの時に簡単な英語が出るようになりました。日常の会話も『日本語への変換』はだいぶ減ったように思います。最近は天気の良い日は自転車でコーネルまで通学をしていますが、天気が悪い日にバスを利用した時に、同じアパートに住む娘の同級生のお父さんと会うと、コーネルへ着くまでのひと時を、英語で雑談(色々な情報を教えてもらったり)できるようになりました。そう考えると、4月に来て初めて研究室のmeetingに参加した時とくらべれば、だいぶ英語を聞き取れるようになったのではないかと思います。『英語できます』というには、まだまだまだですが・・・

日本では、夏休みとして研究室にも『お盆休み』があるわけですが、以前、ブログに記載した通り、我が研究室では、恐ろしいことに定期の夏休みがありません。今度の日曜日には長男が両親とやってくるので、両親が滞在する間とその後、ちょっとぐらいは夏休みを取りたいと思います。

第17週 ホームパーティー

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170730203441j:plain        Defense後、定例のピザパーティー

 

今週は研究室内の大学院生の試験が4人あり、教授はとても忙しい一週間だったと思います。そして金曜日には博士課程の学生さんのdefenseがありました。前回同様、審査会後にピザパーティーがあり、教授はホンモノのシャンパンでお祝いをいたしました。そしてそしてさらには、昨日の土曜日の夕方には教授のお宅でサマーホームパーティーがありました。

研究室では大きなヤマを越え、卒業生も集まり、とても楽しい時間を過ごしました。うちの家族にとっても初めてのホームパーティーとなり、妻も一生懸命英語でお話をしていました。家族にとってもとても貴重な体験となりました。

第16週 ブルーベリー狩り

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170723055031j:plain                                      Ithacaのブルーベリーはとっても大きい!

 

長女のお友達よりブルーベリー狩りのお誘いがあったので、行って参りました。日本での果物狩りといえば、冷えてない果物を食べるわけなので、新鮮だけどね・・って感じが多いですよね。それでいて入場料大人○○円、子供○○円で園内は食べ放題で持ち帰りは別料金というのが定番ですが、Ithacaの果物狩りは入場料無料、試食OK、持ち帰り分のみの料金なんだそうです。日本ではブルーベリーそのものをあまり食したことがなかったのですが、ビックリしました。とても大きくて、あまくて、冷たくなくてもおいしい!試食と言いながら、100粒は食べてしまいました・・・子供達と小さなバケツ一杯取りましたが、持ち帰りの料金を聞いてまたビックリ。1ポンドで3ドルだそうです。小さなバケツ一杯にとって14ドルちょっと、日本での果物狩り大人の1名の入場料ぐらいですね・・考えてみると、Ithacaでは果物の値段は日本と比べてかなり安いように思います。スイカも丸ごと1個4ドル、メロンも3ドル、リンゴは15個ぐらい入って7ドルぐらいです。他にもいろいろな果物狩りがあるようなので、色々とチャレンジしたいと思います。

第15週 初めての『Question』

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170713045208j:plain           外に時計台が見えるMeeting Room

 

先週予告していた通り、Group Meetingにていよいよ自分の発表の順番が回ってまいりました。毎週定例の我が研究室のMeetingでは、まずはじめに毎週1名が順番で自分が興味を持った最近出版された論文を紹介し、教授をはじめ研究室の学生さんからその論文に対して質問を受け答えをする『Question』があり、その後、他の一名が自分の研究について、学会での発表と同形式で文字通り『Presentation』があります。その後、『Sub-group Meeting』として、『Fuel Cells』と『Batteries』それぞれのGroupが残り、一人ひとりが最近の実験経過を報告いたします。朝9:00からスタートし、時には終わりが11:00を過ぎることもありとても濃厚なMeetingとなっております。6月頭まで前述の通り、教授が海外に行っていて留守であっても、毎週Group Meetingがあり、各自順番に発表をしていました。幸いなことに私は6月までの予定作成時に研究室に在籍していなかったので、順番に入っておりませんでした。6月に入り、Group Meetingにて博士課程卒業・中間審査の発表練習が始まり、それが一通り終わり今週からまた上記の『Question』、『Presentation』、『Sub-group Meeting』のサイクルが始まりました。そしてトップバッターは当然のように私となったわけです。
日本では『固体酸化物形』燃料電池電解質材料の研究をしていたので、こちらの研究室のメインの『固体高分子形』燃料電池の論文をあまり読んだことがありませんでした。どんな論文を選ぶかが重要なわけですが、自分が得意とする酸化物を白金触媒の代わりに使用した最近の論文を発見し、その論文を紹介することとしました。人の論文をさも自分の研究発表のようにパワーポイントを作成し、自分が疑問に思ったことは論文にある参考文献を熟読し、都合20報以上の論文を読むことができました。日本の私の所属する大学ではオンラインで見ることができる材料系の論文誌は限られており、オンラインで見ることができない読みたい論文がある場合は図書館を介して文献複写依頼をし、1週間後に読めればラッキーという感じです。それでも、一般の企業の研究者さんに比べれば『大学間の文献複写』というとても低コストで論文を読むことができるのでそれはそれで幸せだなぁ、と思っていたのですが、コーネル大学では見たい論文はすべてオンラインで見ることができました・・・『見たい!』と思った時にすぐに見ることができる幸せ、一流の大学では当たり前の事なんでしょうけど、とても恵まれた環境にあることを再認識いたしました。
そんなこんなで約3週間も準備期間があったこともあり、私の初めての『Question』は教授からの数々の質問にも参考文献からの予備スライドで対応できました。また学生さんからの質問も自分的にはちゃんと答えられたつもりです。私の話す英語はおそらく子供が話すようなレベルの英語なんだろうと思いますが、質疑が終わった後、Groupの皆さんから拍手をしてもらうことができました。なんだかやっと研究室の正式な一員に認めてもらえたように感じます。