とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第17週 ホームパーティー

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170730203441j:plain        Defense後、定例のピザパーティー

 

今週は研究室内の大学院生の試験が4人あり、教授はとても忙しい一週間だったと思います。そして金曜日には博士課程の学生さんのdefenseがありました。前回同様、審査会後にピザパーティーがあり、教授はホンモノのシャンパンでお祝いをいたしました。そしてそしてさらには、昨日の土曜日の夕方には教授のお宅でサマーホームパーティーがありました。

研究室では大きなヤマを越え、卒業生も集まり、とても楽しい時間を過ごしました。うちの家族にとっても初めてのホームパーティーとなり、妻も一生懸命英語でお話をしていました。家族にとってもとても貴重な体験となりました。

第16週 ブルーベリー狩り

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170723055031j:plain                                      Ithacaのブルーベリーはとっても大きい!

 

長女のお友達よりブルーベリー狩りのお誘いがあったので、行って参りました。日本での果物狩りといえば、冷えてない果物を食べるわけなので、新鮮だけどね・・って感じが多いですよね。それでいて入場料大人○○円、子供○○円で園内は食べ放題で持ち帰りは別料金というのが定番ですが、Ithacaの果物狩りは入場料無料、試食OK、持ち帰り分のみの料金なんだそうです。日本ではブルーベリーそのものをあまり食したことがなかったのですが、ビックリしました。とても大きくて、あまくて、冷たくなくてもおいしい!試食と言いながら、100粒は食べてしまいました・・・子供達と小さなバケツ一杯取りましたが、持ち帰りの料金を聞いてまたビックリ。1ポンドで3ドルだそうです。小さなバケツ一杯にとって14ドルちょっと、日本での果物狩り大人の1名の入場料ぐらいですね・・考えてみると、Ithacaでは果物の値段は日本と比べてかなり安いように思います。スイカも丸ごと1個4ドル、メロンも3ドル、リンゴは15個ぐらい入って7ドルぐらいです。他にもいろいろな果物狩りがあるようなので、色々とチャレンジしたいと思います。

第15週 初めての『Question』

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170713045208j:plain           外に時計台が見えるMeeting Room

 

先週予告していた通り、Group Meetingにていよいよ自分の発表の順番が回ってまいりました。毎週定例の我が研究室のMeetingでは、まずはじめに毎週1名が順番で自分が興味を持った最近出版された論文を紹介し、教授をはじめ研究室の学生さんからその論文に対して質問を受け答えをする『Question』があり、その後、他の一名が自分の研究について、学会での発表と同形式で文字通り『Presentation』があります。その後、『Sub-group Meeting』として、『Fuel Cells』と『Batteries』それぞれのGroupが残り、一人ひとりが最近の実験経過を報告いたします。朝9:00からスタートし、時には終わりが11:00を過ぎることもありとても濃厚なMeetingとなっております。6月頭まで前述の通り、教授が海外に行っていて留守であっても、毎週Group Meetingがあり、各自順番に発表をしていました。幸いなことに私は6月までの予定作成時に研究室に在籍していなかったので、順番に入っておりませんでした。6月に入り、Group Meetingにて博士課程卒業・中間審査の発表練習が始まり、それが一通り終わり今週からまた上記の『Question』、『Presentation』、『Sub-group Meeting』のサイクルが始まりました。そしてトップバッターは当然のように私となったわけです。
日本では『固体酸化物形』燃料電池電解質材料の研究をしていたので、こちらの研究室のメインの『固体高分子形』燃料電池の論文をあまり読んだことがありませんでした。どんな論文を選ぶかが重要なわけですが、自分が得意とする酸化物を白金触媒の代わりに使用した最近の論文を発見し、その論文を紹介することとしました。人の論文をさも自分の研究発表のようにパワーポイントを作成し、自分が疑問に思ったことは論文にある参考文献を熟読し、都合20報以上の論文を読むことができました。日本の私の所属する大学ではオンラインで見ることができる材料系の論文誌は限られており、オンラインで見ることができない読みたい論文がある場合は図書館を介して文献複写依頼をし、1週間後に読めればラッキーという感じです。それでも、一般の企業の研究者さんに比べれば『大学間の文献複写』というとても低コストで論文を読むことができるのでそれはそれで幸せだなぁ、と思っていたのですが、コーネル大学では見たい論文はすべてオンラインで見ることができました・・・『見たい!』と思った時にすぐに見ることができる幸せ、一流の大学では当たり前の事なんでしょうけど、とても恵まれた環境にあることを再認識いたしました。
そんなこんなで約3週間も準備期間があったこともあり、私の初めての『Question』は教授からの数々の質問にも参考文献からの予備スライドで対応できました。また学生さんからの質問も自分的にはちゃんと答えられたつもりです。私の話す英語はおそらく子供が話すようなレベルの英語なんだろうと思いますが、質疑が終わった後、Groupの皆さんから拍手をしてもらうことができました。なんだかやっと研究室の正式な一員に認めてもらえたように感じます。

第14週 独立記念日

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170708051046j:plain    7/3 Stewart Parkで花火(コーネル大学のSlopeで撮影)

 

7/7は日本では七夕ですね。

こちらでは特に七夕イベントはありませんが、独立記念日(7/4)のイベントはすごかったです。前日と当日の夜にはいたるところで花火が上がり、各ショッピングモールではどこもかしこもセールをしていました。特にアウトレットモールのセールはすごいらしいと妻が聞きつけきましたので、7/4はWaterlooのアウトレットモールまでお買い物へ行ってきました。私はあまり衣料品のブランドは詳しくないのですが、子供たちの衣類を中心にこれでもかと買い物を楽しんだようです。私のものは50ドルのTimberlandの靴を冬用に買ってもらいました。妻曰く、日本では2万円ぐらいするそうです。

本日は研究室のドクターのThesis defenseがありました。ご家族も聞きに来ていました。研究室には5年間在籍していたようですが、最後の謝辞がとても気持ちを込めて、時間をかけて述べていたのが印象的でした。自分の公聴会の時は彼の謝辞に比較すると、すごいあっさりしたものだったなぁと反省してしまいます。私の恩師はすでに他界してしまっておりますが、彼の謝辞を聞きながら恩師の言葉一つひとつを思い返しました。

来週はいよいよ、Meetingでの自分のプレゼンをする順番が回ってきます。この3か月間の英語の成果が試される時です。

第13週 サマーキャンプ

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170701021327j:plain          サマーキャンプのクラス分けの掲示板

 

先週で小学校は夏休みに入りました。アメリカでは夏休み期間中に個人個人が子供たちにあったサマーキャンプに参加することが多いようです。うちの小学校組二人も運よくサマーキャンプに滑り込むことができました。長女の方は友達が一緒ということもあり、問題なく楽しく過ごしているようですが、次男の方はどうやらクラスメートはいるようですが、あまり一緒に遊んだことがないとのことで、中々なじめない様子でした。妻はそれでも、『経験だから』と休ませることなく、そして本日が最終日となります。最終日はランチを持参してのアイスクリームパーティなんだそうです。三男は申し込み時点で3歳ということで、残念ながら対象外となるので当然申し込みをしていなかったのですが、毎日送り迎えに同行していたので、最終日は日本人のボランティアさんの計らいで、次男と一緒にサマーキャンプを体験させてもらえたのだそうです。どうもありがとうございました。

 

さてさて、自分の方はというと、大学も当然夏休み期間に入っていますが、我が研究室には夏休みなぞありません。先日、9月末までの定例ミーティングの予定が届きましたが、やはり、全体の夏休みはないそうです。各自適当に休むとのこと。ちょっと安心しました。7月早々のミーティングで自分の発表の順番が回ってくるので、週末に準備をしておかなければ・・

第12週 小学校は夏休み

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      Stewart Parkの隣のCass Parkにて(こちらは運動公園という感じです)

 

なんと今週末で小学校は終了し、夏休みが始まります。子供たちがやってきて、小学校に編入し丁度2か月が経過しましたが、夏休みも2か月以上あるわけで、アパートでゴロゴロとしていたら、せっかく耳が慣れてきた英語を忘れてしまう!ということで、小学校組2人はサマーキャンプに申し込みをいたしました。当初、学校から持ち帰ってきた色々なサマーキャンプの案内を見ておりましたが、長女が『一人で知らない人と一緒に同じ時間を過ごすのは無理!』と当然のことを申しますので、サマーキャンプに放り込むのはちょっと無理かなぁと思っておりました。先週の日曜日に、日本へ帰る子のサヨナラパーティにて、お母さんネットワークを通じて今回申し込みをしたサマーキャンプに誘っていただいたので、子供達も『それなら大丈夫』ということで申込いたしました。来週1週間のサマーキャンプですが、日本ではあまり、なじみのないサマーキャンプなわけで、どんな経験をしてくるかとても楽しみです。

さて、小学校組2人はそれでよいとして、おうちにいる三男についても、9月には4歳となりPre-Kinderの補助の対象となるそうなので、今週はいくつかのPre-kinderの見学に行ってまいりました。Ithaca School Districtにも補助の申請を出してきましたが、待機児童が多いようで、『運が良ければ入れます』とのことでした。Ithacaの Pre-kinderは小規模のところが多く定員が少ないので、近場は壊滅状態、(とってもお高いところは常時受付可とのことでしたが)車で30分と遠いところであれば空きはあるらしいのですが午前中3時間のPre-kinderに往復2時間はやってられないので、まぁ、しょうがないです。Ithaca School Districtの抽選に当たることを祈るのみです。

はて、研究室の定例meetingのスケジュール、9月末までのやつがメールで来たけど、定期の夏休みを研究室では設定しないのかなぁ?8月の1ヵ月ぐらいは丸々休むつもりでいたのに・・夏の計画が・・お子さんのいるポスドクさんに聞いてみよう。

第11週目 集中講義

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170617032905j:plain       米ドラマでよく見るテーブル付の椅子に座り講義を受けます

 

今週は月から金まで朝9:00から11:00までの2時間、ボスの集中講義がありましたので、聴講してまいりました。日本では固体電解質の結晶構造解析について研究を進めていたので、電気化学の研究室でお世話になるにあたり、見たことはあるけど、経験したことがないことがいっぱいあったわけですが、それらの物理的裏付けの理論を本講義にて、きっちりとご教示くださりました。(学生時代に勉強したはずですが・・)

ボスの講義はとても情熱的で、マイクを使用せず、学生たちに直接語りかけ、右へ左へ、時には学生のすぐそばまで歩み寄り、まるで次世代の研究者へバトンを渡すかのように講義を進めます。40名ほどの聴講者でしたが、寝ている学生は1週間を通して一人もいなかったように思います。また、数名の教員も聴講しに来ていることに驚きました。また毎日120分の講義の中で100枚以上のスライドを使用していますが講義後にすべて、メールにて送信してくださります。ラスト15分になると、お話の口調が早口になり、私には聞き取り不可になってしまいましたが、とても内容の濃い講義でした。本日の最終日の講義終了後に聴講者から自然と拍手が沸き起こる、とてもすばらしい講義だったと思います。

 

コーネルでは毎週のように外部の先生を招いて講演会を開催していますが、そこにも多くの学生と教員が参加しています。開催1週間前と直前にメールで講演会の案内が流れてきますが、工学系の教職員全員に一斉に送信ではなく、送信案内を出す方も工夫しているように思います。これが『工学系全体の教職員メーリングリストへ一斉送信』であったなら、おそらくこの数倍の量の案内になり『またかぁ』と思って案内すら見ないかもしれませんが、毎回届く講演会の案内を見るとギリギリ興味があるなぁ的な内容なので、『時間があったら聞いてこようかなぁ』と思うものばかりです。本日の夕方にも『An Ultra-High Power Phenothiazine Based Polymer as an Organic Cathode for Metal-Ion Batteries』と、面白そうな講演会があったので午前中の2時間の講義を終えた後でありましたが、聴講して参りました。

日本では、自分がかかわっている講演会以外に参加するのはまれで年に1・2度あるかないかでした。コーネルでは、2か月で2回の講演会に参加しました。どちらの講演会も聴講して良かったと思います。講演会の案内をチェックしまた、参加してみようと思ってしまいます。日本では、講演会の聴講者集めにとても苦労するのに、この差は、いったい・・・おそらく一番の理由は日本では『余裕』がないからではないかと思います。自分の知識を広げるために講演会というのは素晴らしい機会であり、だからこそ大学で講演会を開催する意味があるのだと思います。『大学の講演会のあるべき姿』がここにあるように思います。日本に帰るまでに、良い講演会のスパイラルをどうやったら作れるのか考えてみたいと思います。いい研修テーマをまた見つけることができました。