とある大学のTechnician(技術職員)

とある大学の技術職員の海外研修の記録です

第13週 サマーキャンプ

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170701021327j:plain          サマーキャンプのクラス分けの掲示板

 

先週で小学校は夏休みに入りました。アメリカでは夏休み期間中に個人個人が子供たちにあったサマーキャンプに参加することが多いようです。うちの小学校組二人も運よくサマーキャンプに滑り込むことができました。長女の方は友達が一緒ということもあり、問題なく楽しく過ごしているようですが、次男の方はどうやらクラスメートはいるようですが、あまり一緒に遊んだことがないとのことで、中々なじめない様子でした。妻はそれでも、『経験だから』と休ませることなく、そして本日が最終日となります。最終日はランチを持参してのアイスクリームパーティなんだそうです。三男は申し込み時点で3歳ということで、残念ながら対象外となるので当然申し込みをしていなかったのですが、毎日送り迎えに同行していたので、最終日は日本人のボランティアさんの計らいで、次男と一緒にサマーキャンプを体験させてもらえたのだそうです。どうもありがとうございました。

 

さてさて、自分の方はというと、大学も当然夏休み期間に入っていますが、我が研究室には夏休みなぞありません。先日、9月末までの定例ミーティングの予定が届きましたが、やはり、全体の夏休みはないそうです。各自適当に休むとのこと。ちょっと安心しました。7月早々のミーティングで自分の発表の順番が回ってくるので、週末に準備をしておかなければ・・

第12週 小学校は夏休み

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      Stewart Parkの隣のCass Parkにて(こちらは運動公園という感じです)

 

なんと今週末で小学校は終了し、夏休みが始まります。子供たちがやってきて、小学校に編入し丁度2か月が経過しましたが、夏休みも2か月以上あるわけで、アパートでゴロゴロとしていたら、せっかく耳が慣れてきた英語を忘れてしまう!ということで、小学校組2人はサマーキャンプに申し込みをいたしました。当初、学校から持ち帰ってきた色々なサマーキャンプの案内を見ておりましたが、長女が『一人で知らない人と一緒に同じ時間を過ごすのは無理!』と当然のことを申しますので、サマーキャンプに放り込むのはちょっと無理かなぁと思っておりました。先週の日曜日に、日本へ帰る子のサヨナラパーティにて、お母さんネットワークを通じて今回申し込みをしたサマーキャンプに誘っていただいたので、子供達も『それなら大丈夫』ということで申込いたしました。来週1週間のサマーキャンプですが、日本ではあまり、なじみのないサマーキャンプなわけで、どんな経験をしてくるかとても楽しみです。

さて、小学校組2人はそれでよいとして、おうちにいる三男についても、9月には4歳となりPre-Kinderの補助の対象となるそうなので、今週はいくつかのPre-kinderの見学に行ってまいりました。Ithaca School Districtにも補助の申請を出してきましたが、待機児童が多いようで、『運が良ければ入れます』とのことでした。Ithacaの Pre-kinderは小規模のところが多く定員が少ないので、近場は壊滅状態、(とってもお高いところは常時受付可とのことでしたが)車で30分と遠いところであれば空きはあるらしいのですが午前中3時間のPre-kinderに往復2時間はやってられないので、まぁ、しょうがないです。Ithaca School Districtの抽選に当たることを祈るのみです。

はて、研究室の定例meetingのスケジュール、9月末までのやつがメールで来たけど、定期の夏休みを研究室では設定しないのかなぁ?8月の1ヵ月ぐらいは丸々休むつもりでいたのに・・夏の計画が・・お子さんのいるポスドクさんに聞いてみよう。

第11週目 集中講義

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170617032905j:plain       米ドラマでよく見るテーブル付の椅子に座り講義を受けます

 

今週は月から金まで朝9:00から11:00までの2時間、ボスの集中講義がありましたので、聴講してまいりました。日本では固体電解質の結晶構造解析について研究を進めていたので、電気化学の研究室でお世話になるにあたり、見たことはあるけど、経験したことがないことがいっぱいあったわけですが、それらの物理的裏付けの理論を本講義にて、きっちりとご教示くださりました。(学生時代に勉強したはずですが・・)

ボスの講義はとても情熱的で、マイクを使用せず、学生たちに直接語りかけ、右へ左へ、時には学生のすぐそばまで歩み寄り、まるで次世代の研究者へバトンを渡すかのように講義を進めます。40名ほどの聴講者でしたが、寝ている学生は1週間を通して一人もいなかったように思います。また、数名の教員も聴講しに来ていることに驚きました。また毎日120分の講義の中で100枚以上のスライドを使用していますが講義後にすべて、メールにて送信してくださります。ラスト15分になると、お話の口調が早口になり、私には聞き取り不可になってしまいましたが、とても内容の濃い講義でした。本日の最終日の講義終了後に聴講者から自然と拍手が沸き起こる、とてもすばらしい講義だったと思います。

 

コーネルでは毎週のように外部の先生を招いて講演会を開催していますが、そこにも多くの学生と教員が参加しています。開催1週間前と直前にメールで講演会の案内が流れてきますが、工学系の教職員全員に一斉に送信ではなく、送信案内を出す方も工夫しているように思います。これが『工学系全体の教職員メーリングリストへ一斉送信』であったなら、おそらくこの数倍の量の案内になり『またかぁ』と思って案内すら見ないかもしれませんが、毎回届く講演会の案内を見るとギリギリ興味があるなぁ的な内容なので、『時間があったら聞いてこようかなぁ』と思うものばかりです。本日の夕方にも『An Ultra-High Power Phenothiazine Based Polymer as an Organic Cathode for Metal-Ion Batteries』と、面白そうな講演会があったので午前中の2時間の講義を終えた後でありましたが、聴講して参りました。

日本では、自分がかかわっている講演会以外に参加するのはまれで年に1・2度あるかないかでした。コーネルでは、2か月で2回の講演会に参加しました。どちらの講演会も聴講して良かったと思います。講演会の案内をチェックしまた、参加してみようと思ってしまいます。日本では、講演会の聴講者集めにとても苦労するのに、この差は、いったい・・・おそらく一番の理由は日本では『余裕』がないからではないかと思います。自分の知識を広げるために講演会というのは素晴らしい機会であり、だからこそ大学で講演会を開催する意味があるのだと思います。『大学の講演会のあるべき姿』がここにあるように思います。日本に帰るまでに、良い講演会のスパイラルをどうやったら作れるのか考えてみたいと思います。いい研修テーマをまた見つけることができました。

第10週目 突然夏がやってきた

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170614003421j:plain                             夏と一緒に野良兎がやってきました

 

先週までは最高気温20℃ぐらいでしたが、突然30℃前後となる日が続いております。それに合わせるかのように先々週からアパートのプールが土日のみ使用できるようになりました。ということで、先週の土曜日に子供たちが『プールへ行こう!』ということで、早速はいってきましたが、水はまだ冷たく、1時間で退散いたしました。暑い日が続いているので、来週末は水も温まり、ちょうど良いのではないかと思います。

 

また、先週の日曜日には今月末で日本へ帰国する娘のお友達家族とバーベキューにStewart公園行ってきました。Stewwart公園にはすでに何度も遊びに行っておりましたが、公園に設置されているバーベキューコンロは特に申請など必要なく、無料で使用して良いのだそうです。また、テニスコートも同様に無料で利用できるそうです。バーベキューのノウハウを娘のお友達パパさんより色々と伝授していただきました。

たくさんの思い出をありがとうございました。

第9週目 休日の過ごし方

f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170603050534j:plain      Buttermilk Falls州立公園 Ithacaは滝が多いです

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          Sciencenter 科学を通した遊びがいっぱい

 

6月に入りました。もうすぐ渡米して2か月が経過します。4月からの1ヵ月はまさに怒涛の1ヵ月でしたが、5月に入ってからこちらでの生活になれ、かなり落ち着きました。日本では妻はほぼ毎日、特売品を求めてお買い物へ行っていたようですが、『毎週土曜日に一週間分の買い物をする』ということも定着してきたようです。4月に中古車を購入した直後はWalmart, Target, Topsとアメリカのスーパーマーケット見学として連日のようにお買い物に行っていましたが、Wegmansを知るようになってからは食料品のほとんどはこちらで購入することが多くなりました。Wegmansに買い物へ行ったついでに他のお店(洋服や日用品)を回ってくる、というスタイルが定着しました。そして日曜日はどうしているかというと、天気が良い日はStewart Park(湖の近く)へ行ったり、Buttermilk Falls State Park(トップ写真の滝です)へ行ったり、Taughannock Falls State Park(華厳の滝を太くしたような立派な滝)へ行ったりと、Ithacaの大自然を満喫しています。しかし、雨が降ると・・ケーブルテレビのオンデマンドで無料映画を見てダラダラと一日を過ごしていたりしました。妻からそれではいけない、雨の日の過ごし方を考えましょう!ということで、前から気になっていたSciencenterを調べてら、$85でメンバー登録すると、入場料無料ということだったので、早速メンバー登録し、Sciencenterへ行ってまいりました。あまり大きな施設ではありませんが、小学校低学年の子供が科学にふれながら遊ぶというコンセプトは素晴らしいと思います。とりあえず、雨の休日はSciencenterというのは定番になるかもしれません。とはいえ、そればかりじゃ、また怒られてしまうので、新たな遊び場を開拓せねば・・

第8週目 CCMR(Cornell Center for Materials Research)

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      広場に卒業式イベント用の巨大テントがいくつも出現

 

4月の初旬に雪が降った際、当ブログにも写真を掲載しましたが、5月に入り30℃越えの日が2日続いたかと思えば、朝の最低気温が10℃だったり、まだまだ寒い日があったりするわけで何を着て大学へいくか、毎朝悩む日が続いております。

今週は日本の自大学のT教授からご紹介していただいていたコーネル大学のN教授にお時間をいただき、ご挨拶に行ってまいりました。N教授は材料系のご研究をされているので、とても親近感があります。事前にメールで『英語が下手なので』とお知らせをしていたので、ゆっくりとわかりやすい英語で、1時間ほど、いろいろなお話をしていただきました。Ithacaでは雪が1メートルも積もり、毎朝6時に道路の除雪作業があるので、その前には大学に来れないこと、そもそも大雪が降っていると除雪作業すらできないので、大学が閉鎖されること等、所属の研究室の中では研究に関する話ばかりで冬にどうなってしまうかなど、話題にあがることはなかったので、とても有用なお話をしていただきました。特に興味深かったのはCCMR(Cornell Center for Materials Research - An NSF MRSEC)のお話です。

CCMRはその名の通り、コーネル大学の材料研究センターであり、電子顕微鏡をはじめ、材料を様々な角度から分析する装置を多数所有し、コーネル大学の研究と教育に役立っています。また施設は企業に対しても解放されており、一時間当たりいくらという感じで各装置にそれぞれの利用料金が決まっています。それぞれの装置は一つの建物に集約されているわけではなく、複数の建物に分散していますが、組織としてはCCMRとして一つの組織として運営しているようです。海外研修前に見学に行ったK大学の中央試験所さんと似た組織になっています。私の日本での所属はとある大学の〇〇研究所という施設で、やはり電子顕微鏡X線装置他、多数の装置を管理していますので、CCMRはとても興味深い組織です。webを見ても、さすがはコーネル大学と思ってしまうことばかりですが、これからいろいろCCMRについて調査・勉強したいと思います。

 

コーネル大学の卒業式(Commencement Ceremony)が5/28(日)にSchoellkopf Stadiumで行われます。キャンパスの各地でその準備で大賑わいです。週末(5/26-28)にかけてイベントが目白押し。時計台の近くの広場にも巨大テントがいくつも張られています。卒業生一人につき、家族他親類で出席する人がいるそうです。ちなみにCap & Gownはレンタルなんだそうで、学部生は無料で修士は$21.75、博士が$72.55と値段が違うんですね。装備品が違うんでしょうねぇ。卒業式当日はキャンパス周辺は交通規制されて、駐車場も制限されるようなので、見に行ってみたいけど、車でちょっとというわけにはいかないようです。web中継を見ればいいや。

第7週目 Kindergartenの音楽コンサート

 f:id:ToaruDaigakuNoTechnician:20170519010402j:plain小学校のホールに飾ってあった絵(英語の本読んであげなきゃ・・)

 

子供達が小学校に通い始めて3週間となります。現在、長女は3rd grade、次男はKindergartenと、アメリカでは新学年が9月スタートなので、1学年落としたクラスに入れてもらっています。長女のクラスには日本人の女の子2人と同時期に転入した男の子1人がいるそうなので、20名弱のクラスに4名の日本人がいます。女の子2人は同じアパートに住んでおり、転入翌日から一緒に公園で遊び、性格も合うようで、すぐにクラスになじむことができました。一方次男のクラスには日本人の女の子が1人いるそうで、その子が通訳をしてくれていろいろと面倒をみてくれているそうですが、いかんせん男の子と女の子なので一緒に遊ぶということは中々ないようです。最初の1週間、次男は『みんな何を言っているかわからない』、『Kinderに行きたくない』と言っていましたが、そのうち、ポケモンつながりでアメリカ人の男の子とクラスの中で時間を過ごせるようになり、『Kinderにいきたくない』とは言わないようになりました。ただ、やはり英語の壁は高く、いまだにその男の子の名前すら知らない、といっていました。そんな中で『Kindergartenの音楽コンサート』の案内を持って帰ってきたので、妻と三男と私の3人で小学校の見学もかねて行ってまいりました。

 

Kindergarten3クラス分の子供達がホールに入場してきて、元気の良い歌がはじまりました。ただし次男は無表情のまま口を開けることはありません。その姿を見るのに忍びなく、『みんな何を言っているかわからない』の言葉を思い出し、涙が出そうになりました。続いて一人ひとりが楽器をもっての合奏です。次男はウクレレを受取り、もしかしたらウクレレを持ったまま微動だにしないのかと思っていたら、少しですが手を動かし、演奏してくれていました。歌は何を言っているのかわからないから歌えないけど、楽器ならできる、やれることを取り組もうと努力する次男の姿を見て、涙が出てしまいました。その後のハンドベルも一生懸命周りに合わせて振っていました。完全アウェイの中、たくましく成長している次男の姿を見ることができて、うれしく思いました。

こうしてコンサートが終了し、子供たちが退場していったので、私たちも帰ろうとしていたら、親達はゾロゾロと教室へ向かっていきます。案内にはその後の事は特に告知されていませんでしたが、その後についていくと、そのまま教室へはいって行くではありませんか。なんと子供の隣に一緒にいて良いみたいです。次男は心配そうに教室の入口付近で立って待っていました。私たちの姿を見るとニッコリして、手を引いて教室へ迎え入れてくれました。担任の先生が『外側の壁にシュンが書いた絵があるから見せてあげて』と英語で次男に伝え、わかってないかなと思っていたら、手を引いて絵の前まで連れてきてくれ『どれがオレが描いた絵だかわかる?』と見せてくれました。絵にはアルファベットで一生懸命に描いたであろう名前とタイトルが書いてありました。その字を見てまた、涙が出そうになりました。

教室へ戻ると、次男はアメリカ人の例のお友達とブロックで遊びはじめました。そのお友達の隣へ行き、『いつもシュンと遊んでくれてありがとう。シュンのお父さんなんだけど、君の名前を教えてくれないかな。』ときいたら『ジョージ』と教えてくれました。次男に『ジョージ』っていうんだよと伝え、次男はとてもうれしそうに『ジョージ、おさるのジョージで忘れない!』とニッコリしていました。ジョージが手書きのポケモンの絵を持ってきてくれて、私に見せてくれました。担任の先生が『ポケモンは世界をつなぐ橋ですね』といってくれました。本当にそうですね。ポケモン、ありがとう。